国連、アフガン北西部での深刻な人権侵害事件を報告
IRIN:UN reports serious rights violations in northwest Afghanistan
    ※(IRINは国連の関連機関、"United Nations Integrated Regional Information Networks "となります

http://www.irinnews.org/report.asp?ReportID=33718&SelectRegion=Central_Asia&SelectCountry=AFGHANISTAN

北西部、バッジス州で38人の民間人が現地武装グループに紛争に巻き込まれ死亡する事件が発生、国連(UNAMA)もこの事件に関する発表を行いました。
報告によれば、首都から離れた地方の村々では、同様事件や武装グループによる地元の人々に対する恐喝・物品の略奪が横行しており、タリバン政権崩壊後1年半を経た今でも治安の問題が、本質的には解決していない事実が浮かび上がります。
これまでRAWAや 多くのNGO、報道機関が地方における治安の問題を取り上げてきましたが、今回事件は国連自らが事件を取り上げて発表する点が非常に特殊(それだけ深刻)であるといえます。

 カブール、2003年4月28日(IRIN)
 国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)とアフガニスタン独立人権委員会(AIHRC)は4月27日・日曜、アフガニスタンの北西部、バッジス州のBala Morghab地方で1ヶ月ほど前に複数の同盟を組んだ複数の武装集団と地元の武装集団指揮官のジュマ・ハーンとの紛争により深刻な人権侵害が引き起こされていたことを発表した。

 「報告によるとアカザイ(Akazayi)村での最近の戦いで38人の民間人が死亡、761の家と店が強奪にあったという」とUNAMAの報道担当官のダヴィッド・シン(David Singh)が首都カブールでIRINに対して語るとともに、バッジス州知事と地元当局へ法的処置に備えてあらゆる努力を行うよう要請していると言った。
4月16日から20日にかけて国連とアフガン独立人権委員会は合同派遣団をこの地域に送り込み、予備的な一次調査を実施した。「アカザイ村の老人達や地元の人権活動家から集めた情報によると、ここ以前あるいは最近におきた武力衝突の中でも群を抜いて深刻な人権侵害があったことがわかった。」とシン報道官は語り、この国の和解と平和に対する深刻な脅威を象徴している事件であることを強調した。

 国連は犠牲者の中には川で溺死した3人の女性と12人の子供達が含まれていると語った。「人々は銃火から逃れるために自ら川に身を投じたが、中には兵士達から暴力を受けまいと川に飛び込んだ女性達もいたとする報告もあった。」とシンは言う。彼はまたこれらの報告に基づき同盟を組んだ現地の複数の武装集団がジュマ・ハーンを追跡、この軍勢が26人を処刑したことを付け加えた。殺害された26人の遺体は背の後ろに手を回して縛られた姿で発見されたという。

 しかし既にこの事件よりもっと早い段階にBala Morghab地方では紛争が引き起こしたと思われる人権侵害の一つのパターンが出来上がっていた。「報告によれば正式な制服を着用していない兵士や武装した個人が地元の人々に対して強制的に税を取り立てたり、無理やり現金や食料を奪ったり、あるいは家畜や収穫物を没収するようなことが行われていた」とシン報道官は言った。兵士らのこうした要求に応じないと嫌がらせや拷問をうけることになったり、不法な処刑まで行われた。

 「聞き込みの対象となった人々は兵の要求に応じなかった人々はタリバンとレッテルも貼られたことも指摘した」とシン報道官は語りつつ、この地方が中央から非常に離れた地であり、このため人々が中央政府に苦情を申し立てることが実質的に不可能となってしまっていることに注意を促した。

 この地方では今回事件のおきたバッジス州に隣接するファリャブ州で、4月初旬に今回事件に非常によく似た暴力事件が発生し、その事件では2人の民間人を含む13人が二派の合い争う武装グループの衝突の際に殺害された

 「緊張はもちろん中央政府の存在感が欠けていること、国軍の不在、法の執行や国の警察力が無いことと同様にこれらの地域で武装グループの派閥が暴力を振るっていることから引き起こされている。」とUNAMAの高等人権アドバイザーであるGoran Fejic氏はIRINに語った。氏はこの地方に社会的・経済的面でも、もっと注意むけるようアフガン政府に働きかけている。

 今回の事件を衝撃的な事件だとしながら「(訳注:首都から離れた)こうした地方では資格を持った教師がいないほか、識字率がとりわけ非常に低く、インフラが全般的に整備されていないといったぐあいで、これまでのところ地方の人々は全体として無視されてきたとUNAMAは認識している。」とるGoran Fejic氏は述べた。

 アフガニスタン独立人権委員会(AIHRC)職員はIRINにこの事件についてアフガン政府へブリーフィングをおこなっており、積極的にこの事件を追及するよう要請したと語った。「即座に決定的な対応を行わなければ暴力事件はまた再発するかもしれない」とAIHRC総裁のアハマド・ナディール・ナデリ(Ahmad Nader Nadery)は断言する。しかし総裁は加害者や武装した人間が当該の地域にまだ留まっているものの事態は終息に向かいつつあることも付け加えた。

その一方でアフガン政府はIRINに事件の詳細について認めつつも真摯な対応策に取り込んでいるところであると述べた。「ハイレベルの政府派遣団がこの地域からちょうど戻ってきたところだ。この代表団は信頼にたる事実関係とこのBala Morghab村の地元の人々の証言を集めてきた。」と内務省次官のアハマドザイ氏は語り、内務大臣が事態をカルザイ大統領に報告、内務省職員と大統領府職員からなる別の派遣団もまもなくこの地域に送られる予定だ」と語った。

「犯人は確実に罰せられるだろう」とアハマドザイ次官は強調した。


 

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