食料危機、難民帰還に伴い深刻に
Afghan hunger crisis worsens as refugees return

2002.9.18 International Herald Tribune
http://www.afgha.com/article.php?sid=16607&mode=thread&order=0

今年もまたアフガニスタンの冬を前に地方の農村部でも食料危機が危惧されている。この記事では危機の原因を3つ取り上げているが、その一つに本来は喜ぶべき「難民の帰国」があるという事実を一体どのように考えればよいのだろうか?
記事では国連職員の重要な指摘を取り上げている。ドナー国だけでなく世界銀行、アジア開発銀行が大規模な雇用を生み出す復興事業をこれまでのところ行ってこなかったという事実である。

SHOGHLI、アフガニスタン
農夫は乾燥した草を引き抜こうとかがんだ。「皆に話して欲しい、私達には何も食べるものが無いんだ、私達は食べ物を買うお金も無いし、何も持っていないんだ」と手に乾ききった草のくきをつかんだまま彼は語った。「私達にはどうしてよいのかわからない。冬服さえ持ってないんです。」
29歳のシャー・ワリー(Shah Wali)は5人の子供がいる。彼はこの周辺の他の農民と同様にこの冬、家族に食べ物を確保することができないのではないかと心配している。外国の援助に励まされて彼や他の数千人の他の難民達は、難民キャンプから故郷、旱魃で荒れた彼らの土地に戻ってきたが、戻ってきたわかったのは彼ら自身にはどうすることもできないということだけであった。
「全ての村が悪い方向に向かっている。」彼は語った。「何かを持っているのは100人に一人ぐらいしかいないから、皆がその一人から何かをもらおうとする」

アフガニスタンと国際援助団体の職員が言うには、アフガニスタン北部のこうした村々のありさまは非常に貧しく、国際的な支援も明らかに不足しており、村井とたちが再び故郷を捨てて無人になったばかりの難民キャンプに戻りかねないほどでだという。
アフガニスタンでは今年耕された農地は推定で20〜30%にとどまり、自給自足の生活をする大半の村人達は家族や自分達を養うに十分なだけの作物を育てることができなかった。
この地で危機を招いている要因は主として三つある。

まず最初の要因は4年にわたる旱魃である。今回のアフガニスタンの旱魃はこの地で生活する人々が憶えている限り最悪のものだ。

次の要因はアフガニスタン全土に戻ってきた難民の波である。これまでのところ170万人もの人々が国外から帰還してきたが、これは援助団体に言わせると予想の倍の人数であったという。そしてさらに90万人以上がアフガニスタン国内の難民キャンプから戻ったのである。

三つ目の要因は援助国が地方の人々を立ち直らせるために必要な大規模な援助を提供することができなかったということである。UNHCRとWFPの職員達は最近のインタビューの中で、冬を目前に人々が自分達自身で何とかしようとしている最も重大なこのタイミングに、援助用の食料が不足しているために、既に弱体化しているアフガン人コミュニティが打撃をうけるかもしれないという懸念を表明してきた。しかし援助団体自身への供給も不足している。WFPはドナー国から穀物を受け取ってきたものの、アフガニスタン北部では必要とされる援助の45%程度しか対応できなくなるだろうと語り、目下のところこの冬の危機に対応する計画を急いで立てているところだと述べた。

WFPの北部マザリシャリフ計画担当副代表であるスティーヴ(Steve Loegering)は北部7州を担当しているが、彼が語るところではこの数週間の間に援助用食料が不足して9つの食糧援助プロジェクトを中断せざる得なかったという。この中断によって数千人が食糧援助を断たれることになる、とプロジェクトの担当職員であるセイクーバ(Saikouba Ahmed)は語った。

食糧不足が深刻なために、他の17の予定されていたプロジェクトについては検討すらされそうにない。と彼は言う。数十万人を雇用するような大規模な復興計画が今年実施されていたなら、飢餓が広がるアフガン北部の地方を救うことができただろう、とこの国連職員は語った。
「本当に失望してます。世界銀行とアジア開発銀行は道路建設や水力発電用のダムの建設といった労働集約型のもろもろの事業を始めてこなかったのですから。」
国連難民機関のセシル(Cecile Fradot)は、暗澹たる気持ちで状況を監視している、と述べ、「今年、人々が帰還したという喜しい物語がおびただしく流布されたが、我々は人々が再び故郷を離れるところまで見ることになるだろう」と語った。


 

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