沖縄県議会による一坪反戦地主排除の陳情採択問題


 以下は、一坪反戦地主排除の陳情裁決に関する一坪反戦地主会の公開質問状。2000年4月27日に県議会議員全員に対して添付資料とともに送付された。


         殿

公開質問状

 私たちは、去る3月30日の2月定例県議会最終本会議において、「県の外郭団体など、あらゆる県機関から『一坪反戦地主など』を役員から排除する件」の陳情が、自民、県民の会、新進沖縄の三会派の賛成多数で採択されたことを、今もって信じられない思いでいます。どうしてこのような陳情が採択されたのでしょうか。

 言うまでもないことですが、人間社会は多種多様な考え方の人々で構成されていることは大前提であります。「ある特定の立場」から「ある特定の立場」をとる人々を排除することがどのような悲惨な結果を生み出してきたかは、いちいち列挙するまでもないことです。過去の苦難な歴史の中から私たちは民主主義という宝をつかみとってきたのではないでしょうか。その民主主義を実現していく場が、まさに「議会」というところのはずです。

 私たち一坪反戦地主会は、「軍用地を生産と生活の場へ」をスローガンにして、反戦地主を支えるために1982年12月12日に結成され、県内でも1,200名余の人々が結集する団体です。「基地をとり戻す」との一点で集まった多様な思想と信条をもった人々の集まりが一坪反戦地主会なのです。この間、二度の法律の改悪をしてまでも強制使用したいとする日本政府と本土の一部悪質マスコミによって、一時期、まるで一坪反戦地主が「天下の極悪人」ででもあるかのように悪宣伝されました。今回の陳情書もその延長線上にあるものと私たちは考えています。ここに結成時の資料を添えて送りますのでご参考にしてください。

 さて、私たちは、3月29日に本陳情が本会議に上程されることを聞き、急きょ3月30日の最終本会議の体憩時間に全会派を回り採択をしないように要請を致しました。その時対応した議員の中には、内容が分からないのてこれから検討するという方もいました。しかしながら、本会議の中では、反対討論が一人あったのみで、賛成討論も全くなく多数で採択されてしまいました。今回の採択が十分な論議の上になされたものとは到底考えられません。

 私たちは、今回の「陳情採択」は、国民の「思想・信条の自由」「表現の自由」等の基本的人権を侵害し、民主主義を根底から否定する行為であると考えています。決して、「一坪反戦地主など」だけの問題でも、ましてや、保守とか革新の問題でもないことは論をまちません。

 私たちは、県議会史上、最大の汚点を残したと言われるこの陳情の採択を撤回させ、人権侵害の回復と県議会の名誉の回復、何より民主主義を守るために断固として運動していきます。そのためには、今回の「陳情採択」にかかわってこられた県議会議員お一人ひとりの見解をどうしても知っておくベきだと考え、この公開質問状をさしあげることになりました。これにより真実を明らかにし、今後の行動を取り組んでいく所存です。

 時節がら、県会議員の皆さんが一番忙しい時ですが、本件の重大性に鑑みて、県民から重責を委ねられた議員として、誠実に対応され、こ回答くださるよう切に要望いたします。回答は1郵送、2ファックス、3直接届ける、のいずれかの方法で5月10日まで(消印有効)にお願いします。

 なお、この回答は、集計の上、印刷物となって、マスコミ発表や直接配布等により全県民に明らかにされることをあらかじめお断り申し上げます。

 2000年4月27日

〒902−0061
  那朝市古島119一1(教育福祉会館内)
    一坪反戦地主会
  電話兼FAX 098-885-8230



質問事項及び回答欄

(回答は各選択肢に○をつけ、理由及び意見を記してください。)

質問1 あなたは本陳情の採択にあたり、どういう立場をとりましたか。

1.賛成した 2.反対した 3.その他
<その理由及び意見>



<1.に○した方に伺います。>
1.今も気持ちは変わらない 2.今は違う
<どう違うか下欄に記入してください>



質問2 本陳情は、その一で、「一坪反戦地主の土地所有の目的は、土地を経済的に使用する為のものでは無く、国の政策を妨書する為のものであるから、憲法第十二条違反である。」と述べていますが、あなたはどう考えますか。

1.そう思う 2.そうは思わない 3.その他
<その理由及び意見>



質問3 本陳情書は、その二で、「『反戦平和』とは、米軍を日本から追い出し、自衛隊を無くして、日本を無防備にしてから、民衆に暴動を起こさせ、日本を破減に陥れようとする考えと同じである。」と述べていますが、あなたはどう考えますか。

1.そう思う 2.そうは思わない 3.その他
<その理由及び意見>



質問4 本陳情書は、その三で、「足を踏み鳴らし、拳は天を突き、怒号罵声で、平和を叫んでも真の平季和は訪れ無い。」と述べています。
 この項目は、「一坪反戦地主など」の行動に対する陳情者の一方的誹講中傷であると考えます。あなたはどう考えますか。あなたの「平和」観、「一坪反戦地主」観をお書きください。




質問5 本陳情は、その四で、「平和祈念資料館監修委員、県公文書館役員、県教育委員などは特に歴史の公正を期する立場から『一坪反戦地主』のような人物は不適格者である。」と述べていますが、あなたはどう考えますか。

1.そう思う 2.そうは思わない 3.その他
<その理由及び意見>



質問6 本陳情は、その五で、「県内に正しい歴史観を持つ有識者は豊富である。このような人達を差し置いて、保守県政のリコールを企てたり、少なくとも県政を危ふくし、県民の恥となるような行動、言動を繰り返して、てんとして恥じない『一坪反戦地主』などを有用し、県民の税金を無駄遣いすべきでは無い。」と述べていますが、あなたはどう考えますか。

1.そう思う 2.そうは思わない 3.その他



<1.に○した方のみ>
 また、「正しい歴史観を持つ有識者は豊富である。」と述べていますが、正しい歴史観とはどういうものですか。有識者の名前も記入してください。



質問7 本陳情書の最後に「県から給与、運営資金など何らかの資金の関わりのある外郭団体に於いては、一坪反戦地主や過去にその団体の一員であった者は、役員から即刻排除するよう・・・・」と述べていますが、あなたはどう考えますか。

1.そう思う 2.そうは思わない 3.その他
<その理由及び意見>



 2000年 月 日
             回答者 氏名:



一坪反戦地主排除の陳情採択問題