大分から沖縄県議会への採択撤回要請


沖縄県議会事務局殿

 私たちは、大分県日出生台で一昨年より強行されている米軍演習問題をきっかけに、地域住民の人権、暮らしの安心、安全が保障される「民衆の安全保障」の実現を求めて取り組んでいる大分県内を中心とする住民、労働者、教員など約300の団体、個人のネットワークです。

 先日3月30日の沖縄県議会において、 陳情書『県の外郭団体など、あらゆる県の機関から「一坪反戦地主など」を役員から排除すべき件』を、陳情内容の事実確認、審査、論議を経ることなく、これを採択したことに、強く抗議をするとともに、この採択を撤回するよう求めます。

 この陳情書にみられる「国のやることに反対する者は排除する」という論理は、日本国憲法の理念と民主主義を根底から否定するものであると言わざるをえません。思想・信条の自由は憲法によって保障されているものであり、何人も特定の思想、信条によって差別や排除をされることがあってはならないはずです。ましてや県議会が、憲法に反する内容の陳情を採択するなどは言語同断です。

 陳情書では、一坪反戦地主の活動について「国の政策を妨害する為のもの」としてこれを排除の理由にしています。しかし、もしこのような主張が正当化されるのであれば、国の政策に異議を申し立てるあらゆる行為は「国の政策を妨害する」行為と見なされ、今、全国で問題になっているダムや産廃、原子力施設の建設に反対する人たちも、同様に排除対象とされかねない危険性があるのではないでしょうか。

 沖縄県議会でのこの陳情の採択は、これまで平和を求める不断の努力を重ねてきた一坪反戦地主の名誉を汚し、侮辱するものであるとともに、その意味あいは沖縄県だけの問題にとどまらず、日本の今後のの民主主義の行方を左右しかねない看過できない大きな問題です。だからこそ、本土の私たちも、今回の沖縄県議会の判断には大きな憂慮を表明せざるをえないのです。過ちを訂正するに遅すぎるということはありません。どうか、良識ある沖縄県議会として、今すぐ、この恥ずべき陳情採択を撤回し、沖縄という日本の民主主義と平和を守るための努力を先頭に立って続けてきた沖縄県の県民の代表たる沖縄県議会の名誉を一刻も早く回復されんことを強く求めます。
                     
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出典:keystoneメーリングリスト


一坪反戦地主排除の陳情採択問題