辺野古からの電話メッセージ

大西照雄さん(ヘリ基地反対協)


 ヘリ基地反対協の大西です。皆さんご苦労さんです。今日は祝日で、これまで防衛施設局は天皇誕生日、建国記念の日も作業を行ったんで、私たちも今日は海に朝未明から出ました。

 この数日、施設局の動きは少し弱まっております。その理由は、3月16日に、夜中にスパット台船を引っ張ってきて朝6時30分からスパット台船の設置作業が行われました。これは予想もしていなかったんで、あわてて私たちも全ての船を出して対応いたしました。私も県庁への要請行動があったんですが、背広を脱ぎ捨てて現場に駆けつけました。この暴挙は、那覇防衛施設局が沖縄県に提出した公共用財産使用協議書違反であります。我々の指摘に対して防衛施設局は、航行は含まないと言っていますが、工事の現場責任者に問い質したら6時30分から作業を行ったと述べております。

 当日は、海上保安庁がゴムボート7艇、母船3艇を出して大掛かりな警戒態勢を取りました。まさにその日は、海上保安庁が海の主人公で警戒船は大変冷静でありました。私たちの船が、グリーンピースのボート、私たちの船3隻が勾留されるなど大変な動きがありました。今日の私の声、相当枯れてますが、16日には私はマイクで海上保安庁の母船3隻に近寄って、皆さんの仕事は協議書違反のパシフィックコンサルタントの違法行為を取り締まるのが筋ではないかと幾度も幾度も抗議をいたしました。私たちの船の、勾留された船から保安庁は補助タンクを自分たちのボートに載せていやがらせをしております。当日は、朝から1日中エンジンをかけっぱなしですから、私の船もガソリンが切れて補給を要求するのですがそれは絶対に認めませんでした。明らかに人命や危険を防止する保安庁が漂流寸前の船にガソリンを分け与えないというのは、これは海のルールに反することです。

 午前6時30分から12時まで、海上保安庁の妨害によって私たちは大変厳しい闘いを繰り返しました。その中でスパット台船を幾度も止め、また、午後からは保安庁も非常におとなしくなったんですが、我々は整然と行動してスパット台船を追い払うことができました。当日の海上における船は約30艇、それが入り乱れている状況がありました。ですけれども、私たちも保安庁が少し冷静になったんで、午後からは整然と堂々と行動いたしました。なおスパット台船には、泳いで7名ぐらいがスパット台船に登り果敢な行動を取ったことをまず報告をしたいと思います。これまでスパット台船は3回来たのですが、私たちは3回とも作業を、掘削をさせていません。

 これから、沖縄はすぐ初夏に入りますが、寒さから暑さへとすぐ変わります。全員が真っ黒になってこれからも闘いを続けていかなければなりません。

 政治的な動きについては、再編成をめぐって様々な動きがあります。基本的なことはアメリカ軍と自衛隊が共同で沖縄の基地を使用する、日本全国の基地を使用し軍事プレゼンスを展開するというのが基本だと思います。様々な動きが伝えられると思いますが、アメリカは大変陽動作戦に優れております。ですから、様々な移設発言などあるわけですが、私たちの最大の目的は、辺野古に海上基地を作らせないという一点で団結をしております。これからも様々な動きはありますが、一日たりとも行動を緩めずに、海上の座り込み、陸上の座り込みを続けていきたいと思っています。

 首都東京における闘い、特に座間に陸軍の司令部、アメリカの即応体制、緊急即応体制の重要な基地に日本をさせないために、首都での奮闘もよろしくお願いします。私たちは、辺野古のみならず日本の国どこにもこの基地を移設させない、普天間を移設させない、これが非常に大事だし、沖縄の闘いを逆手に取って日本がアジアの脅威になるような軍事国家にさせないことが大切だと思っています。皆さん頑張りましょう。






防衛庁長官 大野功統様
防衛施設庁長官 山中昭英様


抗議・申し入れ書


 辺野古沖海上巨大基地建設にむけたボーリング調査など、沖縄全域で軍事基地が強化されている。辺野古海域における珊瑚礁の破壊のほか、沖縄各地で基地被害があとを絶たない。そのなかで、小泉首相は国会で「辺野古は難しい」(17日)と答弁するなど、辺野古見直しの様々な報道がおこなわれている。

 しかし、日本国家の戦争国家化、在沖・在日米軍の再編・強化=日米安保体制強化、軍事基地の日米共同使用化などがすすむなかで、自公連立の小泉政権の言う「沖縄の負担の軽減」について実現するとは思えない。現に先島・宮古の下地島の民間訓練飛行場を軍事化するもくろみがつづいている。

 自衛隊は、多くの国家が軍隊を撤退させているなか、イラク開戦2年をすぎても米英占領軍に追随し、派兵・占領を継続している。米国主導の「有志連合」は崩壊の危機をむかえている。

 日本経団連など財界の改憲シフトのもとで、自民党は憲法9条改憲=集団的自衛権容認、国民の国防の責務や非常事態規定等々の新憲法起草委員会の作業を急いでいる。自民党、公明党、民主党の3党は、改憲にむけた国民投票法案の今国会上程をもくろんでいる。しかも、その法案の内容たるや有効投票の過半数や国民投票運動の制限など、反民主主義的なものとなろうとしている。

 また、小泉外交は、韓国との独島(竹島)や中国との釣漁島(尖閣列島)領有権問題・東中国海の資源問題、朝鮮民主主義共和国への経済制裁、また、ロシア専有の北方4島問題など、近隣諸国家への挑発と排外主義を強めている。

 防衛庁と施設庁はいまこそ、辺野古沖新基地建設の断念を明言すべきである。SACO最終報告はすでに沖縄民衆の闘いで破産している。沖縄海兵隊など米軍は米国本土に帰れ。米軍は沖縄一日本(ヤマト)、韓国、アジアから撤退せよ。イラクの全占領軍は撤兵せよ。


以下、防衛庁、防衛施設庁に要求する。


1、辺野古沖基地新設断念を公表せよ

1、普天間飛行場をただちに返還せよ

1、沖縄自衛隊の増強をやめよ

1、楚辺通信所をかえせ

1、米軍第1軍団の座間移転策動を中止せよ

1、横田基地の日米共同使用を中止し、返還せよ

1、日米安保強化の米軍再編・強化を中止せよ


2005年3月21日

労働運動活動者評議会