辺野古から 電話アピール


平良 夏芽さん(牧師:うふざと伝道所)


 お集まりの皆さん、お疲れ様です。今日の報告をさせていただきます。

 今日は、施設局はスパット台船という15メーターくらいの深さの所で作業する台船を中城湾から出して、辺野古沖、大浦湾まで運んできました。非常に波が高かったので、私たちはこのことに対して何もできませんでしたが、リーフの内側で単管という、そうですね鉄のパイプですね、パイプを組んでリーフの内側でボーリングをする、その作業も予定されているのですが、二つの場所で作業船が出て行動しようとしました。

 一箇所に関してはカヌーが出て、何度も叩かれたりひっくり返されたりしながら、でも作業船を取り巻いて単管を海に降ろそうとするのにしがみついて止めて、この作業を完全に止めました。止めることができました。

 しかしもう一箇所は、カヌーが一箇所に集中していたために作業が開始されてしまったのですが、私が酸素ボンベを担いで潜って向こうのダイバー達4名と向き合って単管を組んでいく作業を必死に止めていたのですが、水中の中でさんざん蹴られたり、単管で殴られたり、それから酸素が漏れてしまうように細工をされてしまったり、ベルトを外されたりとか、挙げ句の果てに水中で水中メガネを外されてしまったりというようなことを何度も何度も受けて、身の危険を感じたのでそこの阻止行動を断念せざるを得ないということになりました。そこの部分のヤグラは、単管は組まれてしまいましたけど、明日はそこのボーリングが行われる前に行って、もっとみんなできちっと阻止をしたいと思います。

 水中の暴行に関しては、これは常軌を逸していることで、水中で相手の潜水具をいじるということは殺人未遂にも匹敵することではないかということで、弁護団が告発あるいは告訴も含めて検討するということで、抗議の記者会見もしましたし、明日、明後日、県や防衛施設局に抗議に行くということになっています。

 今日は、本当にみんなよく頑張って止めました。明日以降ももっともっと効果的にきっちり止めていこうと考えています。今後ともご支援よろしくお願いします。私たちは、辺野古で本当に頑張っていますので、東京で白紙撤回を1日も早く勝ち取ってください。よろしくお願いします。以上辺野古の報告でした。




辺野古沖海底掘削作業の即時中止を求める抗議申し入れ書




防衛庁長官   大野功統様
防衛施設庁長官 山中昭栄様



 那覇防衛施設局は、昨日から、新たな米軍基地建設に向けた辺野古沖でのボーリング調査において、海底を掘削する作業に着手した。昨日は、クレーン船など作業台船を中城湾港から辺野古沖の大浦湾に移動させ、今日から本格的に作業を開始しようとしている。私たちはこのことに強い怒りをもって断固抗議する。

 辺野古では、普天間基地の代替基地として新たな米軍基地の建設計画が出されて以来、おじーおばーを先頭に、沖縄戦という自らの悲惨な戦争体験に基づいて、戦争のための基地は要らないと、粘り強く闘いが続けられてきた。7年前の名護市の市民投票では、移設反対が過半数を超えるなど、新米軍基地の建設に反対するはっきりとした住民の意思を示してきた。4月には、夜明けに突然資材を搬入しようしたことに対して体を張って実力で阻止した。それ以来炎天下や台風にもかかわらず、辺野古漁港入り口で座り込みを続け、資材の搬入を阻止し続けて、ボーリング調査を阻止してきた。

 防衛施設庁は、こうした米軍基地の新設に反対する多くの沖縄の人々の意思を無視して、9月9日、遥か遠方の馬天港から調査船を出すという姑息なやり方で、調査を開始した。

 これに対して、辺野古の住民を先頭に、小型ボートやカヌーに乗って命がけで海上での阻止行動を続けてきた。

 防衛施設庁はまたもや、こうした必死の訴えを無視し、海底掘削作業を開始しようとしている。

 今回の海底掘削作業は、以前の調査活動に比べて、直接的に大規模に、やぐらを立てたり海底に穴を開けることによって、サンゴやジュゴンの餌場であるも場を破壊することによって生態系を破壊するという取り返しの効かない自然破壊、環境破壊である。海の生態系の破壊は、海によって生きてきた辺野古の人々の生活の破壊にもつながるものである。

 昨日、海上で阻止行動した平良夏芽牧師の報告によれば、台船の前で作業の不当性を訴え、中止を求める阻止船に対して、衝突の危険があるにもかかわらず、台船は停止せず、また、なおも止まらない台船に対して、命の危険を省みずやむにやまれづ海中に飛び込んだ人々に対して、台船は更に前に進み、ひき殺そうとした。

 それを台船の十数?の上から作業員たちがニヤニヤしながら眺めていたというではないか!夏芽牧師は、人殺しの基地を作ることは、やはり、作る人の心まで破壊し、人間性までをも破壊すると強く批判していた。

 8月13日、宜野湾市の普天間基地の米軍ヘリが沖縄国際大学に激突墜落するという重大事故が起きた。このことだけとっても、米軍基地が危険なことは明かである。なぜこのような危険な基地を辺野古の移転しようとするのか!また強姦事件などが繰り返されている。人殺しのための基地は、平和で安全な人々の暮らしと相容れないことは明かである。現在でも事件事故が絶ない危険な沖縄に、更に危険な基地を新設する理由は何もない。

 一方、米軍は、イラク・ファルージャで住民の大虐殺の蛮行をまたも働いた。イラクでの住民の虐殺に沖縄の海兵隊が出動している。今米軍は対テロ戦争遂行のために世界的に海外の米軍基地の再編を行っている。日米両政府は、安保体制を強化し、日本では司令部機能を集中させ、より一層出撃拠点としての重要性を高めている。とりわけ沖縄の役割は一層増している。そうした中で、新設される米軍基地が、アフガン、イラクそして朝鮮半島をはじめ、世界の平和と解放を求める人々に敵対し侵略の拠点になることは明かである。

 ブッシュ大統領が、再選され、イラク情勢が一段落したら次は朝鮮民主主義人民共和国への圧力を一層高めるといわれている。私たちは、朝鮮半島の平和的南北統一を支持し、東アジアの平和の実現を目指す立場から、アメリカによる北朝鮮への圧迫強化は見過ごすことはできない。また新基地が朝鮮半島への出撃になることを許すことはできない。

 以上のような点から、私たちは、普天間基地の即時閉鎖返還、辺野古の新米軍基地建設計画の白紙撤回、新基地建設のためのボーリング調査、とりわけ今日から本格的に着手される海底掘削作業の即時中止を強く要求する。

2004年11月17日

日韓民衆連帯全国ネットワーク






防衛庁長官 大野功統殿

防衛施設庁長官 山中昭栄殿

 私たち、「連続ティーチ・イン沖縄」実行委員会は、那覇防衛施設局が辺野古沖への新たな基地建設に向けた海底ボーリング作業を強行しようとしている事態に対して、一昨日、強く抗議しました。しかし、沖縄での事態はいっこうに改善されず、また、那覇防衛施設局は、市民の抗議の声に耳を傾けず、それどころか一層の暴力的な対応をもって状況を混乱させています。ここに、再度、抗議します。

 去る8月13日に宜野湾市で起きた米海兵隊CH53D大型ヘリの墜落・炎上事件直後、日本社会に蔓延していたのは、沖縄の人びとの怒りに対する、信じがたい沈黙と無関心でした。1995年9月4日、米軍兵士による少女暴行事件が起き、沖縄の人びとが激しい怒りとともに米軍基地撤去を求めて立ち上がったとき以来、日米両政府はあらゆる手段を尽くしてその正当な要求を踏みにじり続けています。さらに、2001年9月11日の事件以来、テロ特措法、イラク特措法が成立し、自衛隊がイラクへ派兵され、沖縄はアメリカの「対テロ戦争」の最前線として位置づけられるに至っています。8月13日のヘリ墜落事件は、イラク戦争の遂行のための訓練中に起きたものであり、11月8日に始まったファルージャ総攻撃もその延長線上にあります。米軍はもはやこのことを隠そうともしていません。ファルージャ市民が投げ込まれた惨劇の悲鳴は、沖縄の人びとが抱いている恐怖の悲鳴と重なって響いています。

 歴史的に作り出された日本と沖縄の圧倒的な非対称の関係、すなわち、在日米軍基地の75%が沖縄に集中し、沖縄の生活空間が軍事主義による矛盾の構造のなかに埋め込まれざるを得ない厳しい現実は根本からただされなければなりません。そして、この問題の根源にある日本社会の否認、根深い無関心、差別構造は克服されなければなりません。

 今、辺野古沖で起きている事態によって、私たちの人間としての理性と良心は試されています。那覇防衛施設局の掘削作業船は、辺野古の海に杭一本打たせまいと海に飛び込み、自らの命をかけて抗議する市民に向かって突進し、暴力をもって応じています。名護市民は、1997年12月の名護市民投票において、民主主義的かつ自主的な手続きによって、新たな基地建設に対して「ノー」の選択をしました。今、辺野古沖において那覇防衛施設局がなそうとしていることは、国家の暴力によって民主主義を踏みつぶそうとする行為に他なりません。市民の犠牲者をあらかじめ換算しながら、あからさまな暴力によって民主的選択を破壊するということは、国家による暴力行使、国家による犯罪行為と言わざるを得ません。アメリカ一極支配の世界を支持し、「対テロ戦争」に加担し、累々と屍が積み重ねられる流血と殺戮の暗黒の未来に手を貸し続けるのか、それとも、より公正な、より平等な、より自由な、より平和な「もう一つの世界」の構築を目指す全世界の友人たちの努力に合流し、軍事的緊張を乗り越える道を創造するのか、この決定的な歴史的岐路に立って、私たちは、断固として後者の道を選択しなければなりません。私たちは、より平和な未来を創り出す途上において、「普天間代替施設」として計画されている辺野古沖の海上基地を絶対に作ってはなりません。それは日本に暮らす私たちの歴史的使命であり、日本と沖縄の圧倒的な非対称性の克服と私たちの「民主主義」を創り出すための重要な一歩となるでしょう。

 私たち、「連続ティーチ・イン沖縄」実行委員会は、以下のことを強く要求します。


2004年11月17日

「連続ティーチ・イン」沖縄実行委員会一同