辺野古から 電話アピール


平良 夏芽さん(牧師:うふざと伝道所)


 お集まりの皆さん、お疲れ様です。今日は、スーパーブイという、立てたら40メートルくらいになる大きなブイを積んだ台船が辺野古沖に入って来ようとしました。波が強かったことと私たちの抗議で大浦湾のほうに退避して停泊しています。今日のボーリング調査はさせていません。大浦湾で待機という形になっています。

 朝からのことを少し振り返って報告させていただきます。カヌー隊及びみんなは6時前にはこちらに、辺野古に集まっていました。今日一日で300人を超える仲間達がみんなここに集まっていました。6時半にボーリングの機材を積んだ台船が中城湾の港を出たという情報が入りましたので、私たちは阻止船、モーターボート4隻とカヌー、22艇が出て抗議・阻止行動をしました。

 一番お伝えしたいことは、この台船は本当に巨大で、幅20メートル以上ありますね。長さも30メートルくらいあるでしょうか、大きな大きな本当に壁みたいなものが迫ってくるわけですけど、私たちの船が前に立ちはだかっても止まろうとしません。そのまま直進し続けます。何度か衝突しそうになりながら頑張ったのですけれども、このままでは止めることができないということで、二人の仲間が台船の25メートルほど手前に海に飛び込みました。

 オレンジ色のライフジャケットを手に持って高々と振りながら、はっきり見えるようにしながら飛び込みましたが、台船に乗っている人たちは、運転手に対して人が飛び込んだから止まれとか逆進をかけろとかいう合図をするわけでもなく、ニタニタと笑いながら私たちの方を見下ろして、「船は止まらんぞ、どけー」と言いながら迫ってきました。で、ぎりぎりなったときに私たちはライフジャケットを手放して横に逃げたのですが、台船はライフジャケットを轢いて止まりました。つまり私たちがそのままそこに残っていたら、私たちは台船の下敷きになっていました。

 普通のお兄さんやお父さん、あるいはお姉さんである人たちが、戦争という状況の中で人を平気で殺せるようになってしまう。人間性が破壊されて殺人マシーンになっていく。だから戦争というのは恐ろしんだということを私たちは今まで何度も各地で口にしてきましたけど、基地建設に携わされているその作業員達も、やはり人間性を奪われて自分たちに反発し、抵抗し邪魔をする者たちは殺してもいいのだと、船も撃沈、ぶつけて踏みつぶして沈めてもいいのだというふうに思ってしまう。その状況を、ニタニタと笑いながら、人を踏みつぶしに来るという状況が恐ろしかったです。

 今日、台船と向き合って、巨大な壁が、ビル6階建てくらいの壁が迫って来るのも怖かったですが、その上から見えていた作業員たちのニタニタとした顔、その笑い顔が私たちの心を凍り付かせました。

 私たちは、本当に疲れ果てましたけれども、でも、負けません。手を緩めません。明日以降も、もっともっと団結して、そして策を考えながら、私たちの弱さを全面に出して私たちの決意で、思いで、私たちが彼らに勝っているのは決意、思いだけですから、このことを全面に出して阻止行動を続けていきたいと思います。

 東京の方達が、私たちにエールを送り続けて下さっていることをしっかりと感じて、現場で闘い抜きたいと思います。今後とも連帯して一緒に止めていきましょう。ありがとうございました。



辺野古沖の海底掘削作業を許さない

2004年11月16日
防衛庁長官 大野功統様
防衛施設庁長官 山中昭栄様

労働運動活動者評議会

 防衛庁・那覇防衛施設局は11月16日早朝、2隻の作業台船を動かし、辺野古米海兵隊総合基地建設にむけた海底の掘削作業を開始しようとしている。9月以来の暴力的調査につづいて、辺野古沖の海底を掘削するボーリング作業に着手しようとしている。

 われわれは、9月につづくこの暴挙を絶対に許さない。辺野古現地の海上・陸上で掘削阻止行動を闘う辺野古の「命を守る会」をはじめとする沖縄民衆に連帯し、防衛庁を徹底的に弾劾する。防衛庁は、ただちに掘削作業の中止を指示せよ。防衛庁は、米軍新基地の建設を断念せよ。

 辺野古沖のリーフを解体し、ジュゴンなどの生態系や自然を徹底的に破壊する掘削をやめろ。辺野古をはじめとする久志住民の生活の場を徹底的に破壊する掘削作業を中止せよ。

 イラク・中東、フィリピン民衆虐殺の最大出撃拠点・沖縄米軍基地の新設を絶対に許さない。アジア、朝鮮民衆虐殺拠点のさらなる拡充を絶対に許さない。

 日米安保体制強化の米軍再編・強化を阻止せよ。辺野古の闘いは、米軍再編阻止闘争の最大環である。

われわれは、小泉政権に抗して自衛隊のイラク派兵阻止闘争を闘う。ひきつづく第4次派兵を阻止する。イラク・ファルージァ大虐殺を徹底弾劾する。米英日軍など占領軍は、イラクからただちに撤兵せよ。防衛庁は、11月13日強行した第4次派兵部隊のイラクへの派兵をただちに中止する命令をだせ。

 われわれは、小泉政権に抗して日本(ヤマト)における米軍再編・強化を阻止する。米軍横田基地、米軍キャンプ座間への司令部機能強化の移転を阻止する。

 日米安保体制こそ、沖縄米軍新基地建設の元凶だ。反米帝、米軍基地撤去を闘う韓国民衆、イラク民衆など第3世界と連帯し、安保粉砕の国際連帯闘争をつくりだす決意だ。

 小泉政権・防衛庁は、「沖縄の負担の軽減」などとほざいているが、辺野古の米海兵隊総合基地新設にむけた海底掘削作業を強行しておいて、なにが「負担軽減」だ。

われわれは、以下、防衛庁に要求する。


要求事項
  1. 沖縄・辺野古の米軍新基地新設にむけた掘削作業を直ちに中止せよ。
  2. 名護新基地建設そのものを白紙撤回せよ。
  3. 普天間基地の即時無条件全面返還せよ。
  4. 金武町の都市型戦闘訓練施設の建設を直ちに中止せよ。
  5. 沖縄・日本(ヤマト)、アジアの全米軍基地を撤去せよ。
  6. イラクから自衛隊を撤兵せよ。