防衛庁長官   石破 茂  様
防衛施設庁長官 山中 昭栄 様

ボーリング調査を即時中止し、辺野古への新基地建設計画を白紙撤回せよ!


 昨日午後2時半頃、那覇防衛施設局(以下:施設局)は新基地建設にともなうボーリング調査に向けた事前調査である「現地技術調査」なるものに着手した。海上基地建設案が浮上して以来8年間、さらに4月19日の「闇討ち」以来今日で145日目を迎える座り込みの闘い、基地建設絶対反対の住民の意思を踏みにじり強行的に事実上の基地建設に着手したその暴挙を、私たちは怒りをもって糾弾する!

 しかし、同時に私たちは、昨日辺野古に結集した400名の人々の海・陸を通じた阻止行動が、事実上ほとんど施設局の作業を進めさせなかったことを、この場であらためて確認したい。施設局はたったの1ケ所、2本のポイントブイを立てることしかできなかった。陸上では「資材置き場」の建設というもくろみは完全に阻止され、さらに汀間では施設局員5名の出港を阻止した。阻止行動は本日も続けられている。施設局は今まさに反対運動の力の前に震え上がっていることだろう。私たちは、辺野古現地の闘いと連帯し、この東京で防衛庁・防衛施設庁に対して抗議・要請の声を届けるためにこの場に結集した。

 調査の強行に加えて、私たちの怒りをまたあらたにさせるのは、施設局のとった卑劣きわまりないその手段である。

施設局は、昨日午前の段階では、作業にあたって「辺野古漁港を使用する」と表明していたが、突然それをひるがえし、住民に知らせることすらないままに佐敷町馬天港から辺野古に向けて作業船を出港させたのだ。文字通りの"騙し討ち"である。そして海上では1隻の作業船以外に5隻の船をダミーとして用意し、住民の阻止行動の撹乱をもくろんだ。その一方で、名護市議会・マスコミに対しては「2時からの作業の開始」と「作業手順」を伝え作業を着々と推し進めようとしていたのだ。また施設局は、馬天港への出港地の変更などの一連の措置について、「住民との衝突を避けるため」などといつものことながら説明にならない「説明」をしている。しかしその実は、座り込みの闘いを正面から突破することを何よりも恐れ、それを回避しながらも、「ボーリング調査に着手した」という既成事実づくりのために、コソコソコソコソと動き回ったに過ぎないではないか!

 4月19日未明の抜き打ち的な資材置き場建設着工のもくろみといい、昨日の"騙し討ち"といい、施設局のもはやなりふり構わぬ姑息な行為は、法治国家行政の呈を捨て去っていると言って過言ではない。そしてそれは、アメリカの侵略戦争に参戦し米軍と自衛隊の一体化を推し進めるなど、今まさに「攻撃的戦争国家」としての飛躍をねらう小泉政権が、まさにそれと軌を一にして国内において展開する民衆弾圧のありようを如実に示すものである。私たちは、この小泉政権・施設局の横暴を断じて許さない。

 施設局は今後、今回の作業を足がかりに「磁気探査」「作業足場の設置・海象調査機器の殻置」など、ボーリング謂査の実施に向けた作業を推し進めようとしている。防衛施設庁は今こそ基地建設に反対する沖縄の人々の声を聞き、即時ボーリング調査を中止し、基地建設計画の白紙撤躍を決断すべきである。このことを私たちは強く要請する。

 新しい反安保行動をつくる実行委員会・第9期(準)




内閣総理大臣   小泉 純一郎 殿
防衛庁長官    石破 茂   殿
防衛施設庁長官  山中 昭栄  殿
那覇防衛施設局長 西 正典   殿

辺野古沖ボーリング調査の即時中止の申し入れ


 沖縄県名護市辺野古沖に建設しようとしている米軍海兵隊の海上軍事基地のためのボーリング調査強行に反対します。

 ボーリング調査により、ジュゴンが立ち寄るさんご礁の海が荒らされることを懸念するためです。

 沖縄には、特殊な島の気候のために、ヤンバルクイナをはじめとする特殊な地域にのみ生育する希少種の動植物が数多く生息しています。新工法による海上新基地建設は希少種の生育するための自然を破壊し、動植物を死に至らしめる危険があります。

 また先月8月13日に引き起こされた、米軍へリの墜落事故は、たまたま幸運にも死傷者がでなかったものの、今回、事故調査にあたり、米軍のとった行動は、主権者たる国民の権利を侵害しました。米軍の事故による重大な被害は度々繰り返されてきました。とても許されることではありません。また、これまで米軍の事故による被害は、繰り返し引き起こされ、そのたびに被害者は泣き寝入りさせられてきました。もうこれ以上、米軍による被害が引き起こされないように対策をとるべきです。

 政府・那覇防衛施設局は、1997年、名護市民が「海上基地建設NO」をはっきり示した市民投票を無視することなく、住民の意思を尊重するべきです。

 名護市に海上基地を建設することは、辺野古とその周辺も危険にさらされることになるわけです。普天間基地の閉鎖・撤去とともに、辺野古海上基地建設の白紙撤回を要求します。

 ボーリング調査の即時中止を求めます。

 以上

2004年9月9日

川田 龍平




防衛庁長官   石破 茂  殿
防衛施設庁長官 山中 昭栄 殿 

辺野古でのボーリング調査を中止せよ!

普天間基地は閉鎖・返還せよ!

2004年9月10日

沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック    
  代表 上原 成信

 昨日午後2時、那覇防衛施設局は辺野古への新基地建設のためのボーリング調査に着手した。辺野古現地では同漁港での座り込み行動・海上での調査阻止行動が約500人の参加者によって行われていた。佐敷町の馬天港から出港したボーリング調査船は辺野古海上に向かい、辺野古沖合いで調査地点の目じるしとなるブイを1個投げ入れた。これに反対する住民らはカヌー7艘などて抗議を行った。

 ボーリング調査を強行すれば辺野古海域の環境は破壊され、環境影響評価もできなくなるではないか!護岸構造の調査が必要だというのならば、ボーリング調査をしなくともできるはずである。しかもあと10年以上も年月がかかる本件新基地建設は、先月ヘリ墜落事故を起した危険きわまりない普天間基地をその間継続して米軍に提供するという、まったく説明のつかない事業である。

 ラムズフエルド米国防長官でさえ、「普天間は危険」と言っているのである。

沖縄県知事・名護市長はそれぞれ辺野古の基地建設に賛成・容認の態度を取っている。しかし地元名護市議会では賛成・反対がそれぞれ14対14である。住民説明会も区の上層部に対してだけ行われたアリバイ的なものだ。それになによりも住民投票では反対が多数だった事実は動かすことはできない。

 住民に歓迎されないところに基地をおくことはこれからはありえないことだ。沖縄戦で唯一地上戦にさらされた沖縄県民・名護市民の声、「軍隊は住民を守らない。軍事基地はいらない!」というあの叫びが聞こえないのか! 防衛庁・防衛施設局はこの声に耳を傾け、辺野古の新基地建設・ボーリング調査は中止せよ!