公開質問状

前略

 私たちは、沖縄県議会議員として、県政に責任を負う職責を有する者ですが、その立場から、県政の最高責任者となる知事選挙に立候補している貴殿に対し、以下の通り公開質問を致します。

 貴殿は、1987年10月、沖縄フリーゾーン冷蔵株式会社を設立し、その設立当初から代表取締役として、同社の経営責任を全面的に担っておりますところ、同社は、那覇市所在の沖縄自由貿易地域内で、沖縄県所有の施設(建物)を賃借りして、冷凍・冷蔵食品の輸出入等の事業活動を展開しておりました。

 ところで、右会社は、1993年10月から1997年3月までの3年6カ月間という長期間にわたり、沖縄県に対して施設使用料の支払いをせず滞納し続けております。この間、沖縄県は同社に対して、文書の送付や直接訪問する等して合計37回にわたり滞納施設使用料の督促をしてきましたが、同社はそれでも支払うことをせず、滞納金額は、金4233万1806円(1998年7月31日現在という莫大な金額に達しております。そのうち、同社は1998年6月30日に解散決議をし、現在、清算手続きに移行して倒産状態に至っております。

 沖縄県は、右会社の長期にわたる施設使用料未払いと倒産に至ったことから、同社に対し、1998年7月15日付現状回復命令書によって、施設使用契約を解除して、現状回復(施設明渡)請求をしておりますが、同社は、現在に至るも施設の明渡をせず、県有財産を不法に占拠し続けているところであります。

 そこで私たちは、以上の事実を踏まえて、右会社の経営責任者である貴殿に対して、左記の質問をさせていただきます。

一 いうまでもなく施設使用料は、県有財産の使用対価であり、県財政の重要な歳入源のひとつであり、公的性質を有するものです。従って、その未払いは、県有財政を圧迫し、県民に重大な損失をもたらすものになるものであることは明白であり、その法的責任はいうにおよばず、社会的責任も重大だといわざるをえません。

 かかる公的性質を有する施設使用料を3年6カ月という長期にわたって未払いを続け、沖縄県の37回の督促を無視して、金4233万余円という莫大な滞納金を生じせしめたことについて、同社の経営責任者としての貴殿の見解を明らかにしていただきたい。

二 右会社は、現在清算手続き中ですが、それによって滞納施設使用料の全額返還を逃れることは必定であり、その結果、県の歳入源の喪失せしめることになります。

 同社の清算手続きは、滞納施設使用料の全額返還を免れるために法的手続きを悪用したものとしか思えず、その社会的、道義的責任は重大だといわざるをえません。

 貴殿は右会社の経営責任者として、道会社を解散せしめ、滞納施設使用料の全額返還を免れる事態を招来せしめて、県及び県民に損害を及ぼすことについて、いかなる社会的責任、経営者責任をとるつもりでおられるか、明らかにしていただきたい。

三 現在、右会社は、沖縄県からの現状回復命令を無視して、施設の不法占拠を継続し、沖縄県に損害を与えております。

 貴殿は、同社の経営責任者として、いかなる見解のもとに不法占拠状態を継続しているのか。また、いつまで不法占拠状態を継続するつもりでい

るのか。明確にお答えください。

 以上の質問に対して、貴殿が県知事候補にふさわしく真摯にご回答していただくことを強く希望するものです。

 なお、回答は文書でもって、本書到達後5日以内に質問者代表者である嘉陽宗儀宛になされるようお願い申しあげます。

1998年10月31日

質問者 県議会議員 新垣善春
右 同 県議会議員 新垣米子
右 同 県議会議員 石川修
右 同 県議会議員 糸数慶子
右 同 県議会議員 伊波洋一
右 同 県議会議員 伊波栄徳
右 同 県議会議員 上原亀一郎
右 同 県議会議員 上間毅
右 同 県議会議員 大城一馬
右 同 県議会議員 大城英昭
右 同 県議会議員 兼城賢次
右 同 県議会議員 嘉陽宗儀
右 同 県議会議員 喜納昌春
右 同 県議会議員 島田力
右 同 県議会議員 下地学
右 同 県議会議員 玉城義和
右 同 県議会議員 当山全弘
右 同 県議会議員 外間久子

 那覇市泉崎1丁目1番地1号

 沖縄県議会

 右質問者代表者 県議会議員 嘉陽宗儀

 稲嶺恵一殿