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         10・3与那国島への自衛隊は兵を許さない緊急集会報告

 政府、防衛省は与那国島への自衛隊配備計画を急ピッチで進めている。防衛省幹部は自衛隊強化と生き残りをかけ、中国の尖閣諸島海域への軍事拡大の脅威をあおり、かつ東北大震災への自衛隊出動の成果を宣伝し、その追い風を利用し、一気に南西諸島への自衛隊配備を強行しようとする腹つもりだ。防衛省は、30日まとめた2012年度予算の概算要求で与那国町に陸上自衛隊の「沿岸監視部隊」を配置するための用地取得費15億円を盛り込んだ。用地について外間守吉町長は「用地選定には協力を惜しまない」と話している。この自衛隊誘致は与那国島住民が、中国、台湾など同地域の人々と長年かけて築いてきた協力関係を壊し、与那国の平和生きる道を閉ざしかけない。また与那国町民の民意”自衛隊配備は必要ない”を踏みにじるものだ。
 今日(10月3日)与那国から2名の町議、田里氏、崎元氏に急遽駆けつけてもらい、田里氏から与那国の将来「住民自活の強化」、崎元氏から「平和な地域社会を築いてきた歴史的経緯」、そして「現在進行している自衛隊誘致の理不尽さ」について語ってもらった。
 会の最後に田里氏と崎元氏が与那国町議会に対して9月22日提出した(与那国島への「自衛隊誘致決議撤回」と「誘致活動の中止」を求める要請決議)・・残念ながら議会では否決された・・を『今集会参加者は断固指示し、大和の他団体にも指示を広げ、世論を盛り上げる』を満場一致で採択した。
崎元俊男さん
 現在の町議会は自衛隊誘致はが4名、反対派は2名である。しかし今回選挙前は6名全て誘致派であった。そのとき町長、そして防衛協会が自衛隊誘致問題を住民によく知らせることなく、内密に進め議会を通してしまった。そこで自衛隊誘致に危ぐを持つ住民で造る与那国改革会議は今選挙で「誘致について住民でしっかり議論を尽くすべきだ」と訴え選挙を戦い、2名の議員を町議会に送ることできた。
 この選挙で誘致派は「自衛隊誘は決まっている。議論の余地なし」の態度であった。今もその態度は変わっていない。
 立ち遅れていた自衛隊配備反対の運動は選挙後から精力的に展開し、与那国町有権者の過半数に迫る、556名の反対署名が集まり、町議会に提出した。その住民の民意に押され、町議会もついに説明会を開かざるを得なくなた。
 しかしその説明会では町民の発言を極力押さえ、防衛省の話に終始し、アリバイ作りの説明会であることが明白であった。このやり方にいかった多くの住民の要望で、再度説明会を10月に開くことが決まった。この説明会にどのような態度で臨むかが重要になってくると考えている。
 防衛省は30日与那国町に陸上自衛隊の「沿岸監視部隊」を配置するための用地取得費15億円を盛り込んだ。その用地は北牧場であるらしいと言われている。しかし牧場組合(8名加盟)の牧場主にはまったく知らされていないのが実情だ。全てことを内密にすばやく進めようとしていることが伺える。私達は2年後町長戦挙まで自衛隊誘致を凍結させじっくり議論したい。そして自衛隊誘致反対の民意をさらに広げたいと考えている。誘致は、防衛省は選挙前に決着しようとしているようだ。大和の人々にはぜひ反対の世論を盛り上げてほしいことをお願いする。
 話は変わるがこの地域は他の国の地域の人々と平和的に友好関係を結び、尖閣諸島海域を開発してきた歴史的経緯がある。その証拠に25年前に魚釣り島から海上保安庁を石垣島に引き上げさせた。また15年前には駐在所を引き上げさせたのです。この事実はこの地域に紛争が存在しないことを意味するのです。自衛隊配備はこの現状に逆行するものであり、むしろ緊張を激化させることにつながりかねない。
 自衛隊は生き残り作戦としての南西諸島自衛隊配備のため、自衛隊はいろいろな手を尽くしてきている。例えばあのイラク派兵で名を成したヒゲの佐藤隊長が与那国を訪れ、防衛協会と会談持ったなど典型的な例です。与那国の反対運動はまだ未熟です。支援をお願いしたい。と崎元さんは話を終わった。
 緊張した様子であったが、誠実に訴える態度に、参加者は好印象を抱いたのではないか。
田里千代基さん
 田里氏は与那国島振興について熱く持論を展開した。まず自衛隊誘致についてだ。同じ誘致派であっても町長は「自衛隊誘致は人口の増加のためでありそのことが島の活性化につながる。島の防衛には関係ない」。それに対して防衛協会の糸数氏は「島の防衛なくして島の発展はない。まず島の守りだ。そのために自衛隊誘致は必要だ」。同じ誘致でも趣旨がまったく違うと指摘する。この両論についても次のように反論した。「自衛隊は地域の活動に本腰を入れて参加することは決してない。島の活性化には何も寄与しないと言うことだ。島の防衛については崎元氏が展開したように地域では近隣諸国の住民が平和的に友好関係を持ち地域の発展に協力している。この関係を壊すのが自衛隊による軍事的緊張関係である。決して島の発展にいいことではない。」と批判した。また「現在自衛隊誘致を持ち込んだことにより島の住民が2分され、島の自治が破壊されかねない状況が生まれつつある。この誘致を今すぐ凍結する必要がある。」と述べた。 「岡田前幹事長も賛成、反対が2分している状況は住民にとっても自衛隊にとっても良くない、と述べている。島の民意が決して誘致賛成でないことを島の空気から感じ取ったのではないか。その民意を無視して誘致を強行しようとするのを見過ごすわけには行かない。」と静に怒りを表した。そして田里さんの専門分野である与那国の将来の生きる道について語った与那国島は田里氏が中心になって2004年、「与那国自立ビジョン」を作り上げた。「その骨子は住民自活の強化である。その骨子を支えるのが@国境交流による経済の活性化、A人口の過疎を防ぐ過去の繁栄を見直すB東アジア共同体構想の3本の柱である。キーワードは交通である。繁栄の時期は台湾との間で定期航路あった。台湾とはたった100キロである。東京とは1200キロ。台湾との交流は島の活性化にとって大変重要である。残念なことに国は国交のない国(台湾)との交流を認めてこなかった。このことが島の衰退の大きな原因になった。自立ビジョンをもとに台湾との交流を種種進めている。台湾花蓮市との総合交流、姉妹都市の締結、双方の都市に経済交流のための事務所の開設などです。この交流を今後もぜひ続けていきたい。このビジョンつくりには町長も積極的に参加していたことを明記しておく。」と述べられた。
  
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