From: 辺野古命を守る会 <henoko@f5.dion.ne.jp>
Date: Wed, 15 Jun 2005 07:19:32 +0900
Subject: [keystone 10952] 阻止行動日誌418日目。富田晋。水陸両用戦車が辺野古沖で転覆!!〜フィリィピンの話。
X-BeenThere: keystone@list.jca.apc.org

6月9日(木)
・台風の影響と米軍演習のために作業はありませんでした。

台風の影響で気象情報では「波浪注意報」が発令されていました。
「波浪注意報」のわりにはずいぶんと波が穏やか(といっても3m〜4m)だったので海上行動隊は漁港で待機していました。

〜水陸両用戦車の演習〜
そうしていると、午前9時30分頃浜辺から「ゴゴー!!」という大きなエンジン音がしました。
「水陸両用戦車」が演習を始めました。海上行動隊全員が「浜辺に行こう」と声を掛け合う。
夏芽さんはすぐに車を浜辺に向かわせる。
浜辺で英語と日本語が入り混じった抗議と車のクラクションを鳴らしての猛抗議が始まる。
昨日、米軍の水陸両用戦車による演習で宜野座のモズクが被害を受けたばかりです。「進路を間違えた」という理由で訓練中に宜野座の民間地域に侵入して民間地域を傷つけたのです。絶対に許せません。
辺野古で私たちが口にしているモズクが傷つけられたのです。絶対に許せない。
にも関わらず今日も米軍は水陸両用戦車を走らせています。これが沖縄の現実。
沖国大に落ちた米軍ヘリH−53Dが現在何事もなかったように辺野古の空を飛んでいるのと同じことです。
ことちらのことに何も応えようとしない米兵達。逆に笑って手を振っている。
「もう、いいかげんにしろ!!」声に力が入ります。
それでも演習は続けられている。

〜水陸両用戦車が沈没!!〜
さらにこの日、米軍の水陸両用戦車は故障し、辺野古のリーフ内に沈没しました。米軍のゴムボートが2隻探索に出て、その状況にこちらが気づいたのが午後1時30分頃。
海上保安庁が来ていて警戒態勢をとっていた私たちはその異変に気づき阻止船を出して偵察にいきました。
マナヌ岩(テント村から約1.5キロ沖合い、リーフの上。)の手前にあるリーフのくぼみ(水深5m)に戦車のアンテナが海面から突き出て見える。そこに沈んでいる模様。
そこに米軍のゴムボートから2名が飛び込み、印のためにブイを浮かべる作業をしている。
こちらのメンバーもタンクの用意をして2名が飛び込み、状況を確認しに出ました。確かに水陸両用戦車が水深5mの所に沈んでいる。
海底の岩場にはさまっている形で沈んでいるようで、波で戦車が揺すられる度に周りの岩場が削られているとのこと。走るだけでもリーフのさんご礁を破壊しているにも関わらず、さらに海底のさんご礁を破壊しているのです。
こちらのダイバーが2名その状況を写真に収めて帰ってきました。
テント村にはたくさんの報道陣が駆けつけ、夕方には各局のテレビがこのことを報じていました。

〜フィリィピンの話〜
フィリィピンのミンダナオ島で行われていることは多くの人達が知りません。
ミンダナオ島は1970年代にマルコス政権によって独立運動を武力鎮圧され、多くの人々が虐殺されています。86年にフィリィピンで革命がおき、マルコス政権はなくなり、アキノ政権が発足、このときに「自治基本法」が制定され、これをめぐって混乱が起こりました。
「自治基本法」の中では「ミンダナオ島の土地の権利」について"アメリカを含む外国の資本に対し、3千〜ha。フィリィピン政府は2千〜ha。キリスト教徒が24ha。イスラム教徒が4ha接収してよい(〜は記憶が不確かなので)"と決められています。
ミンダナオ島は8割がイスラム教徒です。今まで田畑をしていたところをいきなり軍隊に接収され、奪われる現実が生まれています。
実際に村を焼き払われ、米軍に訓練されたフィリィピン軍によってフェンスを張られ、奪われています。実の理由は「油田」が出るからだと言われています。

アロヨ政権になってからもそういう差別的な状況に対する抵抗が続き、それを抑えられなくなったアロヨ政権は沖縄の米軍を駐留させようとしています。
キャンプシュワブの米兵達はフィリィピンでの大演習の名の下でミンダナオ島に駐留し、そこで抵抗する人々を暗殺しつづけています。
辺野古に来たフィリィピンの牧師さんはこの間だけで55名ものキリスト教者が暗殺されたと話していました。しかし、この迫害された状況に対して抵抗し、暗殺された人々に対するフィリィピン、ミンダナオ島の人々の支持はさらに拡大し、抵抗は強くなっていっています。

そういう意味でもこの水陸両用戦車の演習は絶対に許せるものではありません。
訓練を止め、基地を撤去する状況を全国から作り出していきましょう!!