From: "辺野古命を守る会" <henoko@f5.dion.ne.jp>
To: <"Undisclosed-Recipient:;;"@mx-list.jca.ne.jp>
Date: Sat, 13 Nov 2004 20:41:44 +0900

Subject: [keystone 9845] 阻止行動日誌208日目。富田晋
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11月12日(金)
・作業台船によるボーリングのくい打ちが始まろうとしています。辺野古に集まって
ください!

11日、昨日作業台船を見に行った時の出来事です。
私の船が岩にスクリューを引っ掛け、緊急で勝連半島の平敷屋漁港に立ち寄る時に船
から乗組員がジュゴンを間近で見ました!!
スクリューの関係でゆっくりと平敷屋漁港に向かっている途中、漁船のが私達の後ろ
を通過しました。沖縄のずっと使われているサバニ(木のくり舟)にエンジンをつけた
漁船がゆっくりと私達の船を横切っていきます。その時!!サバニの船長が何かに気づ
いて私達に合図を送っているのが見えました。
私は船を動かすのに必死で何を意味しているのかに気を取られている場合ではなかっ
たので見ていませんでした。
私の船に乗っていた方が「あっーー!!」と声を上げていました。その後、声を出した
本人から様子を伺うと「ジュゴンを見た」とのこと。勝連半島から東に2キロの海上
で、目撃したジュゴンは1メートルちょいと言ったところ。どうやら子供だったよう
です。
波はほとんどなく、静かな海の海上にぷっくりと顔を出し、また潜っていったそうで
す。その間約10秒。彼一人しか見ていなかった、写真をとれなかったことは残念で
すが、ジュゴンは沖縄の海で何か大きなことが起ころうとしていることを知らせに来
てくれていたのでしょう。遊泳していただけなのでしょうか。
その昔、島人に津波が来るのをジュゴンが教えたという伝説は本当だったのかもしれ
ません。感動的な出会いがありました。

12日。
私達は毎日、限られた力の中で何が出来るのかを模索し討議してきました。この海を
守りたい。私達は絶対に基地建設を止めます。それが来週の大決戦であり、第一歩と
なります。これまでの闘いで学び取って勝ち取ってきたものを確認して、来週を迎え
ます。沖縄の生死にかかわる大きな出来事を一人一人が受止めていました。
命を守る会の前の広場で海を見つめながらたくさんの言葉を絡めながら生き抜くため
にお互いが確認をしあいました。
208日間に渡る闘いの中で沖縄の怒りを受止めて、勝ち取ってきたものがありま
す。座り込みによって機動隊を入れさせないという大きな世論を作り出し、防衛施設
局(国)の間違いを訴え、漁港から船を出す、浜辺からカヌーを出すという日々の闘い
を生み出してきました。
海上でのこれだけ継続された闘いは歴史上でも前代未聞の闘いです。その厳しさを辺
野古のおじぃやおばぁがその姿勢、後姿で支えてくださり、辛さを希望に変えてきま
した。その集大成が来週にあります。そこから始まる大きなうねりがあります。

「木、種1つでも残せたら基地建設はわったーたーの勝ちさ!!」その種は確実に芽吹
き、根を張って生きています。今日は那覇で行動してくれていた人達のビラを受け
取った学生達がそのしわくちゃなビラを持って11人で来てくれていました。
一枚のビラが人から人へ。学生達は読みまわしたのでしょうか。友達をつたって辺野
古に戻ってきました。とても涙が出るほどうれしいことでした。

沖縄の中で、全国の中で多くの人達が行動を続けてくださっています。そのことを辺
野古で肌で感じています。広がっていく大きな大きな輪は世界を巻き込み始めていま
す。
一日でも早く終わって欲しい闘いですが、答えはこの先にあると考えます。
「焦らず、潮の満ち引きのように。人は集まり、散り、そして大きな波となり集ま
る。私達は訴えて闘いそれを待っていれば良い。この辺野古で。」おじぃの言葉で
す。
辺野古に集まってください。多くの違いを超えて、その力をお貸し下さい。