ニュースクリップ

イスラエルが劣化ウラン兵器を使用とパレスチナ環境相
<2000年12月13日共同通信>
 パレスチナ自治政府のアブ・サフィヤ環境相がガザで記者会見し、イスラエル軍が自治区で使用しているミサイルの中に劣化ウラン弾が含まれているとして、調査委員会を設置することを明らかに。
 イスラエル軍スポークスマンは「パレスチナ側の幻想にすぎない」と否定。

放射性物質の引き取り・管理の実行部隊を設置、文部科学省内に
<2000年12月19日毎日新聞>
 科学技術庁(現・文部科学省)は、放射性物質の引き取り・管理に当たる作業部門を2001年に設置するなどの対応策をまとめた。
 2000年に各地で相次いだモザナイト鉱石やスクラップに混入した放射性物質事件への対応。
 現行法では持ち主が不明確なものが見つかった場合の責任が明確ではなく、処理処分に長期間かかることから、一部行政による対応を明確にして、類似事件の発生時の情報提供や報告などが迅速に進められる体制を検討していた。今後は原子炉等規制法の強化などを検討するとしている。

劣化ウラン弾以前使用=イスラエル
<2001年1月12日毎日新聞>
 イスラエル軍報道官が11日、劣化ウラン弾を使用していたことを初めて認めた。
 軍の報道官が確認をしたのは約1年前まで海軍が標的を使った演習に使用したというものだが、イスラエルのイディオト・アハロノト紙は85年にパレスチナゲリラ船を地中海で撃沈した際に実戦使用されたと報じている。
 なお、軍は健康や環境への被害は確認されていないとしている。

イスラエル軍レバノンでも使用か
<2001年1月19−20日ヨルダンタイムズ>
 16日、ミツラ国連事務総長特使は、レバノンのベリ国会議長と会談した際、イスラエルがレバノンで劣化ウランを使用したかを調査することに賛成した。
 ベリ国会議長はイスラエルがレバノンで使用したことを確信していると語った。
 イスラエルは先週の会見で、レバノンでの使用を否定している。

エーゲ海に大量の劣化ウラン弾発射=ギリシャ海軍
<2001年1月9日時事通信、10日毎日新聞>
 ギリシャ軍は米国などから劣化ウラン5万発を購入して海軍に配備しており、そのうちの35,000発を既に演習で使用していたと、ギリシャのメディアが伝えていたが、9日になって軍が公式にこれを認めた。  残りの15,000発はまだ艦船に搭載している。
 さらにギリシャ軍スポークスマンは、北大西洋条約機構(NATO)が加盟国に対して劣化ウランの健康への影響を意図的に隠していた可能性について「解明されなければならない問題だ」との懸念を表明した。

原水協、米英などに劣化ウラン弾使用禁止を要求
<2001年1月13日朝日新聞>
 原水爆禁止日本協議会(原水協)は、米国、英国、NATO本部、国連事務総長あてに劣化ウラン弾の使用禁止を求める文書を、日本政府に在日米軍の劣化ウラン弾配備や演習での使用の実態の調査、公表などを求める文書を、送った。

英海軍劣化ウラン弾の使用を止める
<2001年1月13日時事通信、毎日新聞>
 英海軍は艦載対空火器用劣化ウラン弾の回収をはじめたと、英国タイムズ紙が報じた。
 2003年までに全てをタングステン弾に取り替える予定とのこと。
 米海軍は既に艦船での劣化ウラン弾使用を中止し、タングステン弾に切り替えている。
 変更した理由について、英国防省は英海軍の砲弾調達先だった米国のメーカーが劣化ウラン弾の生産を取りやめたためとし、「製造元の企業の判断であって海軍が決めたわけではない」などと弁解。
 陸軍や空軍の砲弾の切り替えについては言及していない。

<写真:AP>ギリシャは独自の調査に乗り出した(CNNウェブページより)

スイス大統領、劣化ウラン弾使用禁止求める
<2001年1月18日朝日新聞>
 スイスのロイエンベルガー大統領は、ジュネーブで記者会見し、劣化ウラン弾について、国際会議の場などを通じ使用禁止を強く求めていく考えを示した。
 「劣化ウラン弾と健康被害の因果関係が証明されていないとしても、その可能性がある限り、スイス政府は倫理的な立場から行動せざるを得ない」と述べ、スイス政府のとる具体的な動きとして「非人道的兵器の使用に関する国際条約の修正を提案していく」と語った。

ギリシャでコソボ志願兵を緊急募集
<2001年1月19日毎日新聞>
 ギリシャ国防省は、コソボ平和維持部隊(KFOR)に参加しているギリシャ人兵士のうち、220人が「バルカン症候群」への不安を理由に帰国を希望したことを明らかにするとともに、要員の不足を補うため、通常の約3倍の給与などを条件に志願兵の緊急募集を開始した。
 ギリシャは約1500人をコソボ平和維持部隊に派遣しているが、1月半ばに予定されていた兵員交代期を前に、コソボ派遣がすでに決まっていた志願兵375人を対象に実施した調査で希望撤回者が続出。このためツォハツォプロス国防相は駐留兵士に対しても「劣化ウラン弾の健康への影響に不安を感じる者には帰国を認める」と通告していた。

<写真:AP>NATO軍の劣化ウラン弾使用に抗議するギリシャ市民(CNNウェブページより)

80年代からドイツ駐留米軍が演習で劣化ウラン弾使用の可能性
<2001年1月19日時事通信>
 ドイツのシャーピング国防相は、19日の連邦議会本会議で、劣化ウラン弾について、在独駐留米軍が1980年代から独国内の演習場で使用していた可能性があることを初めて認めた。
 国防省はこれまで「駐留米軍の演習は安全が確保されており、劣化ウラン弾は使用されていない」との見解をとっていた。

米軍、劣化ウラン弾ソマリアでも使用か?
<2001年1月20日共同通信>
 ドイツ・シュピーゲル誌は、米軍がソマリアでも劣化ウラン弾を使用していたと報じた。
 米軍の内部文書によるとして、1993年に国連平和維持活動(PKO)でソマリアに展開した米軍当局は「被ばくで多数の被害者が出ている」と、衛生兵に安全管理の徹底を指示していた。
 米軍は劣化ウラン弾の危険性について、国連や他のPKO参加国、地元住民などにも知らせていなかったという。

欧州会議が劣化ウラン弾禁止を求める決議
<2001年1月25日共同通信>
 欧州会議(43ヶ国加盟)は総会で劣化ウラン弾について「製造、実験、使用、販売の禁止を求める」と全面禁止決議を賛成多数で採択した。
 またNATOと国連に対し、旧ユーゴスラビア地域の市民や従軍兵士、紛争地域で活動した非政府組織(NGO)メンバー、報道関係者らの健康調査の実施を要請した。

WHOが調査に200万ドル要求
<2001年2月1日共同通信>
 世界保健機関(WHO)は、劣化ウラン弾による人体への影響について、旧ユーゴとイラクで調査を実施するため、各国政府に約200万ドルの資金提供を求めるアピールを発表した。
 調査は旧ユーゴとイラクの政府機関を支援する形で、ガンなどの発病率が通常とどれくらい異なるかなどを検証、場合によっては住民の健康診断もあり得るとしている。

劣化ウラン弾から微量プルトニウム検出
<2001年2月17日NHKニュース>
 旧ユーゴ地域の劣化ウラン弾調査を行っていた国連環境計画(UNEP)は、劣化ウラン弾からプルトニウムがごく微量検出されたと発表した。
 1gあたり0.8〜12.87ベクレル。
 UNEPは今回検出されたプルトニウムは微量なため、人体や環境に直ちに影響を与えることはないとしている。
 プルトニウムが検出された理由は、劣化ウラン弾の原料に、米国で核兵器生産用核燃料を再処理して得られたウランが一部使われたため。

劣化ウラン弾調査 最終報告‐UNEP
<2001年3月13日共同通信>
 国連環境計画(UNEP)は13日、劣化ウラン弾に関する最終報告書を公表。
 大気や植物、土壌などへの放射能汚染は軽微だが、地下水に対する長期的な影響など不明な点が多いと述べ、「健康に対する危険は依然存在する可能性がある」と警告した。
 報告書は、劣化ウラン弾を見つけた場合、関係当局がこれらの除去や環境汚染の浄化、住民への情報提供といった予防策を講じる必要があると訴えている。 


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