継続的委任状は裁判対策であり、統治体からの指図です

 免責証明書は裁判対策のためでした。ものみの塔の定期刊行物の「目ざめよ!」によると米国最高裁で輸血による医療事故に関する判決で 免責証明が必要だとの判決を紹介しています。 これに基づいてものみの塔は免責証明書を携行するよう指示するようになりました。

米最高裁判所が,輸血によって被った害の法的責任を実際に病院に負わせることができるという判決を下すにおよんで……輸血を受ける患者の多くは免責書に署名しなければならなくなりました……患者が未成年である場合に,両親もしくは保証人の署名する欄が準備されています。「目ざめよ!」1974/9

  エホバの証人の子どもは書類を首からぶら下げています。1997年以前は子どもの「身元証明書」が義務付けられていましたが、その記載事項は明らかにされていませんでした。日本支部はそれを変更し、組織の定めた書式・形式を強制しました。

集会の後,バプテスマを受けた伝道者全員に「医療上の事前の宣言および免責証書」を配り,バプテスマを受けていない未成年の子供を持つ人たちは,子供一人につき「身元証明書」を1枚受け取る。これらのカードの必要事項は,今晩の集会で記入すべきではないことを説明する。家で注意深く記入するようにするが,署名はしない。どのカードについても,署名,証人の立ち会い,日付の記入は,次の会衆の書籍研究の後に,書籍研究の司会者による監督のもとで行なわれる。( 「王国宣教」 97/1 p. 2)

 これでは親の監視下で書かされます。これでも子どもが個人的な選択をしたと言えますか。

  2003年にペンシルバニア州裁判所から組織に有利な判決が出ると即座にDPA(継続的委任状)をものみの塔の律法集に追加しました。

米国のペンシルバニア上位裁判所が2001年2月21日に下した判決は,身体に関する患者の自己決定権や,医療上の事前の指示および継続的委任状の有効性を力強く認めるものでした。この判決は,断固として輸血を拒む意思を一貫して表明してきたマリア・デュランに関するものでした。マリアが事前に対策を講じていたにもかかわらず,エホバの証人ではない夫は,マリアの医師団や病院の力を借りて,自分を緊急時の後見人に任じる裁判所命令を取り付けました。マリアが仲間の信者を医療に関する代理人として委任していたのに,そうしたのです。上位裁判所はその緊急命令を覆し,たとえ患者の配偶者,親族,医師の反対があったとしても,医療に関する患者の明確な指示や,代理人の個人的な委任は尊重されるべきであると述べました。(「年鑑」02 P.16)

血を避ける助けとなる新しい備え
統治体は,継続的委任状(the durable power of attorney document)と「医療上の事前の指示」カードの不可欠な点をまとめて一つの法的証書にすることを承認しました。この証書を,通例,継続的委任状と呼びます。
日本用の継続的委任状に記入することになりますが,外国に旅行するときには英文のものを入手して作成することができます。今回の,継続的委任状は,(1)自分の意思や,医療に関する代理人,住所,電話番号など,内容の一部を変更する必要がある場合,もしくは(2)紛失した,あるいは破れた場合に,新しいものに記入してください。……継続的委任状は,家で祈りのうちに考慮し,注意深く記入してください。しかし,委任状への署名捺印は,二人の証人の立ち会いのもとで行なう必要があります。書籍研究の監督は,新しい委任状に記入していない人たちに,助けが必要かどうかについて周期的に確認するでしょう。(「王国宣教」04/12 P.7)

 ものみの塔協会は現在の政治体制を「現在の邪悪な事物の体制」と断定し、差し迫ったハルマゲドンですぐに滅びると、これでもかと執拗に信者に教え込みます。彼らにすると裁判所はその「邪悪な事物の体制」には入らないようです。司法には従順な態度を示し、十分な証拠を出し渋りながらも、有利な判決が出ると最大限、それを利用します。組織の維持のために裁判所からいちゃもんを付けられないようにします。そして、信者には背負いきれないほどの律法を積み重ねています。それでも日本支部は、輸血の可否は「強制されたり圧力を受けたりして決めることではない」とか、「組織の特定の人が、輸血を拒否するよう誰かに強制することはありません」と強弁しています。
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