イスラエルのラファ軍事作戦と平和的行進者への攻撃

ヨハネス・アーベリング
2004年5月21日
Electronic Intifada原文



2004年5月17日。ラファの「O」地区住民は、予想されるイスラエル軍の難民キャンプ攻撃を前に、急いで所持品を救い出そうとしていた。住民たちの恐れは根拠のあるものだった。昨日付けワシントン・ポスト紙で、モリー・ムーアは、次のように指摘している。すなわち、2000年9月に第二次インティファーダが始まって以来、「イスラエル軍はガザとエジプトの国境の北端で1218軒の家をブルドーザで破壊し、ラファ市とそこに隣接する難民キャンプを押し込めていた。一マイルにも及ぶ砕けたコンクリートとバラバラの木片、捻れた金属が---アジザ・アブ・アンザをはじめとする人々によると---半世紀前にこの地の国連テントに集まった家族と隣人たちが培ってきた緊密なコミュニティであったものの名残のすべてであった」。


2004年5月18日。パレスチナ人女性たちが、イスラエル軍のラファ攻撃の後、嘆き悲しんでいる。

2004年5月18日。ラファの「O」地区近くで、イスラエル軍のミサイルに殺された一人のパレスチナ人が、その死を嘆く親族に囲まれている。


イスラエルの人権団体ベツレムは今日、次のように報じた:「イスラエル軍(IDF)は今朝早くラファの難民キャンプへの侵攻を開始した。イスラエルは、これが、2002年春の『防衛シールド作戦』以来最大の軍事作戦であると述べている。一日中、ベツレムは民間人に対する過酷な被害の報告を受け取り続けている。死や、医療団の怪我、医療措置の妨害、家屋の破壊、道や水、電気の破壊などである。〔・・・・・・〕」

「今朝早く、赤新月社は、テル・アスルタン地区で殺された男性の遺体を運ぶよう求められた。救急車の運転手アシュラフ・アル・ハティブはベツレムに、遺体に近づこうとした救急車に対し、近くの家を占拠したイスラエル軍兵士たちが撃ってきたと語った。遺体の運び出しを補佐していた男性一人がこれにより殺された。」

「アル・ハティブによると、IDFはテル・アスルタン周辺に塹壕を掘って、救急車が付近に近づけないようにしている。赤新月社は、IDFが封鎖した地域で15名の怪我人と4人の死者を処置して欲しいとの求めを受け取ったが、運び出すことができずにいる。」

「『イスラエル人権医師団』が受けた報告によると、その夜、少なくとも一台の救急車がIDFの銃撃を受けた。その救急車に乗っていた医師によると、『朝3時に、テル・アスルタン地区で怪我人が出たとの連絡を受け取った。ライトを点滅させサイレンを鳴らしながらキャンプに入っていった。私たちは赤新月社のベストを着ており、キャンプに入ったときには兵士の姿は見なかった。突然、兵士たちは乱暴に我々に向かって銃撃を始めた。車が撃たれ、それ以上進むことができなかった。私たちは救急車から出て、近くの家に避難した』」

「現地のラジオ記者ムハマド・カミズはベツレムに、IDFがテル・アスルタン診療所を取り囲み、壁の一面を破壊したと語った。IDFは18人の診療所スタッフが立ち去ることを許さなかった。カミズによると、死者と怪我人を運び出すことができないと住民たちの多くが述べている。」


2004年5月19日。ガザのアル・メザン人権センターは、この日、2004年5月18日にイスラエル軍による侵攻が始まって以来、ラファのテル・アルスルタン地区にあるSOS協会が運営する孤児院に99人の子どもと18人の女性教師・職員が閉じ込められていると報じた。家族とともにそこで暮らす孤児院の経営者は、何度かイスラエル軍が孤児院に向かって発砲したと述べている。テル・アルスルタンでは拡声器が、16歳以上の男は全員近くの学校に集まるようにと呼びかけている。テル・アルスルタンからの情報によると、イスラエル軍は、その指示に従った男たちに発砲し、4人が死亡したという。上の写真は、ラファのパレスチナ人住民がイスラエル軍のやり方に抗議してテル・アルスルタンに行進している光景である。この写真を撮った数分後、イスラエル軍は、この非武装の抗議行進に、戦車砲とヘリコプターからのミサイルを撃ち込んだ。


2004年5月19日。背後にイスラエル軍のヘリコプター・ミサイルと戦車砲による靄がかかっている中、パレスチナ人たちは負傷した青年を運んで近くの医療センターに逃げようとしている。


2004年5月19日。血だらけになりながら、男性が怪我をしたデモ参加者をピックアップ・トラックの後ろに乗せようとしている。


2004年5月19日。ナジャル病院で嘆き悲しむ親戚が慰められている。

ガザにあるアル・メザン人権センターで、2004年5月19日のデモに対する攻撃を巡る宣誓供述書の中で、写真家ヨハネス・アーベリングは次のように述べている:「私は、午後2時頃ラファのいアル・アウダ・モスク近くに何千人もの人々が集まったとき、そのデモの中にいた。デモが始まったときに二人のパレスチナ人が武装しているのに気付いたが、イスラエル軍が陣取る場所から数キロのところにデモが到達したとき、この二人がデモから離れるのを見た。デモ側からイスラエルに対して発砲行為は見も聞きもしなかった。市民の集団が行進を続けたとき、イスラエル軍からの発砲音を聞いた。最初に耳に入った爆発音は巨大で、デモの一番前を狙ったものだった。沢山の負傷者が出た。イスラエル軍は、その前に威嚇発砲をしなかった。それから爆発音をいくつも聞き、人々が至るところで走っているのを目撃した。私は、恐らく50人程だろうと思われる犠牲者(死者と怪我人)を目にした。その多くは子どもだった。平和的なデモ行進に軍がミサイルを撃ち込む理由は理解できない。恐ろしい経験だった。」


警告:以下には生々しい写真があります

2004年5月19日。デモに対するイスラエル軍の攻撃で殺されたパレスチナ人男性/子どもたちが、ラファ北西の花屋のフリーザーに設置された間に合わせの死体安置所の床に横たわっている。
アムネスティ・インターナショナルは、2004年5月21日、次のように発表した。「デモ参加者と目撃者は、死と怪我は、近くに駐留していたイスラエル軍のヘリコプターと戦車からの発砲により引き起こされたと述べている。イスラエル軍士官によると、戦車は、イスラエル軍のポストにデモ行進が進んでくるのを防ぐために空ビルに戦車が発砲したと述べている。また、イスラエル軍のヘリコプターは近くの空き地にミサイルを一発発射したとも。」

「イスラエル軍の砲弾は、ラファを東西に走る幹線道路であるシー通りの建て込んだ地域を直撃した。パレスチナ人デモ参加者が歩いていたところである。イスラエルのメディアで公開されたイスラエル軍の航空写真は、戦車の標的とされた建物は、デモ参加者が歩いていた路の建て込んだ地域にあったことを示している。イスラエル軍関係者は、デモ隊は銃を持った者たちに率いられていたと主張している。」

「アムネスティ・インターナショナルはデモ参加者の中に武装パレスチナ人がいたかどうか確認も否認もできていないが、アムネスティの使節団は、襲撃の前にデモを見たとき、武装した人達を一人も目にしなかった。さらに、使節団は、イスラエル軍が発砲する前に、パレスチナ人が発砲した音を全く聞かなかった。さらに、イスラエル軍による発砲の前・さなか・後のデモの様子を撮ったテレビ・クルーのビデオをアムネスティ・インターナショナルの使節が検討した結果、そこでも、デモの中に武装した人間がいることは無かった。」


2004年5月19日。イスラエル軍のミサイル攻撃で殺された子どもが、間に合わせの死体安置所の床に寝かされている。


ヨハネス・アーベリングはオランダのアムステルダム在住。ハーグの王立芸術アカデミーで写真を専攻し、1999年以来、いくつかの新聞や雑誌、組織に寄稿するフリーランスの写真家として活動している。彼が撮った写真は、Het Parool、Utrechts Nieuwsblad、Arcam、SNV、Medicins Sans Frontieres、Plan Samenweking、Nieuwe Revu、Spui、Nirov、Woord & Gebaar、Metro and Trouwなどに掲載されている。アーベリングへの連絡は、彼のウェブサイトwww.abeling.nlを通して可能。エレクトロニック・インティファーダのナイジェル・パリーが写真へのテキストを編集した。


イスラエルは「虹作戦」と称する大規模な軍事攻撃をガザに加え、パレスチナ人を虐殺し、家を破壊しています。ラファの難民キャンプに対するこの攻撃では、ラファを孤立させ、電気供給を絶って、家々を破壊し、さらに数十人の人を殺しました。[補足:ラファは人口15万人の町で、町全体が封鎖されている様子とのこと。小樽の規模の町が封鎖され攻撃されていることを想定すべきとの情報がありました。]また、平和的なデモ参加者にミサイルを発射し、少なくとも10人を殺しています。これは、ガザの占領を行なっていたイスラエル軍兵士13人が殺されたことへの「報復」と称して進められています。

ファルージャで米軍が行なってきたこととガザでイスラエル軍が行なっていることは、構造的に極めて似通っています。ちょっと考えただけでも:
  • 米国はイラクを、イスラエルはパレスチナの領土を、不法に占領している。米軍もイスラエル軍も占領軍であること。
  • いずれも大規模な暴力でイラク/パレスチナの人々にテロ攻撃を加えながら、それに対する抵抗を「テロ」と呼び、自らの不法侵略/占領とそのもとでの人権侵害や虐殺を「テロに対する防衛」を呼んでいること。
  • ファルージャもラファも、取り囲まれ、封鎖されていること。
  • 電力供給の切断や家屋の破壊など、民間人への「集団的懲罰」を意図した戦争犯罪行為が行われていること。
  • 救急車への発砲を含む戦争犯罪行為。
などの類似点があることがわかります。

現在ラファで進められている破壊と虐殺についてのさらなる詳細は、ナブルス通信の記事をご覧下さい。そして、色々な方面に声を挙げて下さい。また、P-navi infoを継続的にチェックして下さい。

抗議先、要望先:ファックスのほうが有効です(一通70円位)が、難しい場合はメールでも。

シャロン首相(イスラエル)
Prime Minister Ariel Sharon
Fax:(+972-2) 5664838
Email:webmaster@pmo.gov.il, dover@pmo.gov.il, pm_eng@pmo.gov.il

モファズ国防相(イスラエル)
Defence Minister Shaul Mofaz
Fax:(+972-3) 697-6218
Email:sar@mod.gov.il

これ以外については以下に。
http://palestine-heiwa.org/misc/kougi.html
また、ナブルス通信にある送付先情報もチェックして下さい。


抗議文、要請文のサンプル

Don't kill the Palestinians. Don't attack the Gaza Strip. Stop destroying houses in Rafa. End the occupation.

というようなシンプルなものでもいいと思います。大事なのは、見ている人がいるということを示すこと、そしてできるだけ多くの人が抗議を行うことです。from Japanというように発信地名をつけてもいいかもしれません。

もう少し長いものとして、以下に手紙例を付けておきます。

Dear 宛先,

I protest strongly against the massive attack on and the killing of Palestinians in Rafah and Gaza city by the Israeli army under your direction.

The Israeli army has continuously made air raids on the Gaza Strip in order to assassinate Palestinian leaders. Because of the raids, many civilians have been killed and injured. This is a clear crime against humanity.

The Israeli army is currently destroying houses in Rafa in a massive scale. This is a collective punishment prohibited by the Geneva Convention. A UN spokesperson described the current situation in Rafa as "a humanitarian catastrophe".

I urge you to stop attacking Palestinians and destroying houses in Rafa, and respect international law.

The Israeli army must immediately withdraw from occupied Palestinian territory.

Sincerely
[あなたの名前]

もう一つ、Jewish Voices of Peaceからもらった手紙例:

Dear 宛先,

I call upon you to immediately act to stop the demolition of dozens of Palestinian homes going on at this moment in Rafah in the Gaza Strip.

The order given to the Israel Defense Forces to destroy hundreds of houses is an order by the government of Israel to commit a war crime. This crime is being committed with American-made bulldozers, with equipment paid for by American tax dollars. I refuse to allow my tax dollars to be used to create hundreds of homeless Palestinian families.

Peace and quiet can only be achieved by the withdrawal of occupation forces. When the Gaza Strip, like the other parts of the occupied territories, is freed from Israeli occupation, it must have free access to the outside world. A humanitarian catstrophe could result otherwise.

I am demanding that my leaders, and all American and Israeli leaders, act immediately to stop this heinous example of collective punishment.

Sincerely,
[あなたの名前]


また、イスラエルを批判するよう日本政府や米国政府へも要請して下さい。米国国務省へのFAX/メールの例文を、以下に挙げます。

Dear Secretary of State Powell,

I am writing to you to express my grave concern about the current Israeli army offensive in Rafah.

Since the Israeli army moved into Rafah on Tuesday, tens of Palestinians have reportedly been killed, including many schoolchildren, and many more have been wounded. The local hospital is apparently overwhelmed with casualties, with the BBC reporting on Wednesday that the floors were "drenched in blood as doctors treated incoming patients in corridors and on staircases." Israel also demolished more than 100 Palestinian homes in Rafah, leaving 1,000 people homeless.

Its ongoing policy of house demolition has been internationally condemned as collective punishment of the Palestinians.

I therefore urge you to bring immediate pressure to bear on the Sharon government to end this illegal violence that has inflicted so much suffering on innocent civilians. I would like to stress that the Islaeli army offensive is carried out in the Palestinian territory, where Islael is illegally occupying.

Yours sincerely,
あなたのお名前

日本政府・米国政府・イスラエル政府/軍・メディア等の送付先一覧は、http://palestine-heiwa.org/misc/kougi.html
にあります。


最近、このページは、分析情報紹介よりもニュースのようになってしまっていますが、ご容赦下さい。上述のように、現在イスラエル軍がラファで続けている攻撃は、米軍海兵隊がファルージャで4月に続けてきた攻撃と、本当に似通っています。

イラクについては、「ファルージャの虐殺とイラク全土の戦場化のなかで米軍の武力行使の即時中止と日本政府の戦争支持撤回、自衛隊の撤退を訴えます」という共同声明への賛同募集が行われています。また、「イラクからの自衛隊の即時撤退を求め、憲法改悪に反対する意見広告運動」が始まっています。

この間、日本では、反戦のビラを撒いた人達が長期にわたり拘留され、東京都では公立学校の卒業式で日の丸・君が代をめぐり市民的自由の抑圧が続き、「有事関連7法案」が国会を通過しそうになっています。5月28日には東京の日比谷野外音楽堂で18:30〜「「有事関連7法案を廃案へ 自衛隊はイラクから撤退を 5・28集会」(呼びかけ、平和フォーラム、市民緊急行動など)が予定されています。
2004年5月24日 

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