平成十二年五月十六日(火曜日) 参議院地方行政委員会
午後一時開会
出席者は左のとおり。
委員長 和田 洋子君
理 事
谷川 秀善君 松村 龍二君 朝日 俊弘君 菅川 健二君 富樫 練三君
委 員
井上 吉夫君 岩城 光英君 加納 時男君 鎌田 要人君 久世 公堯君
森田 次夫君 輿石 東君 山下八洲夫君 大森 礼子君 白浜 一良君
須藤美也子君 照屋 寛徳君 松岡滿壽男君
国務大臣 (国家公安委員会委員長) 保利 耕輔君
事務局側 常任委員会専門員 入内島 修君
政府参考人 警察庁長官 田中 節夫君 警察庁生活安全局長 黒澤 正和君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査
(ストーカー行為等の規制等に関する法律案に関する件)
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○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る四月二十八日までに、亀井郁夫さん、森下博之さん及び仲道俊哉さんが委員を辞任され、その補欠として中曽根弘文さん、岡利定さん及び青木幹雄さんが選任されました。
また、去る十二日までに、中曽根弘文さん、井上吉夫さん及び橋本聖子さんが委員を辞任されその補欠として石井道子さん、馳浩さん及び塩崎恭久さんが選任されました。
なお、十二日、馳浩さん及び塩崎恭久さんは議員を辞職されました。
また、昨十五日、石井道子さん、岡利定さん及び木村仁さんが委員を辞任され、その補欠として井上吉夫さん、森田次夫さん及び加納時男さんが選任されました。
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○委員長(和田洋子君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官田中節夫さん及び警察庁生活安全局長黒澤正和さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(和田洋子君) 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査のうち、ストーカー行為等の規制等に関する法律案に関する件を議題といたします。
本件につきましては、松村龍二さんから委員長の手元にストーカー行為等の規制等に関する法律案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。
この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。松村龍二さん。
○松村龍二君 ただいま議題となりましたストーカー行為等の規制等に関する法律案の草案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
最近、我が国において、悪質なつきまとい行為や無言電話等の嫌がらせ行為を執拗に繰り返す、いわゆるストーカー行為が社会問題化しており、ストーカー行為がエスカレートし、殺人などの凶悪事件に発展する事案が全国的に見受けられるところであります。
これらの行為については、国民からも特にストーカー行為を規制してほしいとの要望が多く寄せられているところであり、また、その初期段階において法令を適用し、防犯上適切な措置を講ずることが、重大犯罪発生の未然防止に極めて有効であると考えられております。
しかしながら、特定の者に対する執拗なつきまとい行為や無言電話等は、刑法や軽犯罪法の適用により対応が可能な場合もあるものの、現実には既存法令の適用が困難な場合が大部分であり、これまで有効な対策をとりがたいものでありました。
そこで、この法律案は、このような現状を踏まえ、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的として立案したものであります。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
第一は、この法律において規制の対象としている、つきまとい等及びストーカー行為の定義についてであります。
つきまとい等とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者等に対し、つきまとい、交際の要求、無言電話、名誉・性的羞恥心を害する事項を告げること等の行為をすることを言うものとしております。
また、ストーカー行為とは、同一の者に対し、一定のつきまとい等を反復してすることを言うものとしております。
第二は、つきまとい等の規制についてであります。
その一は、何人も、つきまとい等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏もしくは名誉が害され、または行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならないものとしております。
その二は、警察本部長及び警察署長は、つきまとい等に係る警告を求める旨の申し出を受けた場合において、さらに当該つきまとい等が反復して行われるおそれがあると認めるときは、当該つきまとい等を行った者に対し、さらに反復して当該つきまとい等をしてはならない旨を警告することができることとしております。
その三は、都道府県公安委員会は、当該警告を受けた者がその警告に従わない場合において、さらに当該警告に係るつきまとい等が反復して行われるおそれがあると認めるときは、当該警告を受けた者に対し、さらに反復して当該警告に係るつきまとい等をしてはならない旨等を命ずることができることとしております。
なお、都道府県公安委員会は、禁止命令等をしようとするときは、聴聞を行わなければならないこととしております。
その四は、警察本部長等は、つきまとい、待ち伏せ、進路に立ちふさがり、住居等の付近において見張り、または住居等に押しかける行為に係る申し出を受けた場合において、当該申し出をした者の身体の安全、住居等の平穏もしくは名誉に対する危害または行動の自由に対する著しい危害を防止するために緊急の必要があると認めるときは、その行為者に対し、さらに反復して当該行為をしてはならない旨を命ずることができることとしております。
第三は、警察本部長等の援助等についてであります。
これは、警察本部長等が、ストーカー行為等の被害者がみずから被害防止措置を講ずることを助けるため、被害者からの申し出に応じて、ストーカー行為等による被害を防止するための措置を教示する等の援助を行うこととするほか、警察本部長等がストーカー行為等に係る被害を防止するための措置を講ずるよう努めなければならないこととするものであります。
第四は、国、地方公共団体、関係事業者等の支援についてであります。
これは、国、地方公共団体については、ストーカー行為等を防止するための広報啓発活動、被害者への支援等に努めなければならないものとするものであります。また、ストーカー行為等にそのサービスを利用される関係事業者が、ストーカー行為等の防止措置を講ずるよう努めるものとすることとしております。
第五は、罰則についてであります。
その一は、ストーカー行為をした者は、六月以下の懲役または五十万円以下の罰金に処することとしております。なお、この罪は、告訴がなければ公訴を提起することができないものとしております。
その二は、都道府県公安委員会の禁止命令等に違反してストーカー行為をした者等は、一年以下の懲役または百万円以下の罰金に処することとしております。
その三は、都道府県公安委員会の行う禁止命令等に違反した者は、五十万円以下の罰金に処することとしております。
第六は、適用上の注意についてであります。
これは、この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを乱用するようなことがあってはならないとするものであります。
なお、この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。
また、ストーカー行為等についての規制、その相手方に対する援助等に関する制度については、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるべきものとしております。
以上がこの法律案の草案の趣旨及びその内容の概要であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(和田洋子君) 本草案に対し、質疑、御意見等がございましたら御発言願います。
○大森礼子君 公明党・改革クラブの大森礼子です。
直ちに質問に入りたいと思います。
まず、この法案の立法の動機といいますか、いかなる社会的事情が立法の背景にあるかにつきましては、ただいまの趣旨説明の中で説明されました。
そこで次に、この二条につきまして、「つきまとい等」の定義の中でこれは目的犯となっております。そして、この目的を広く解しますと一方で一般市民の自由を制約するということになりまして、どの範囲で目的を決めるかというところが非常に重要なこととなってまいります。本法案では、「恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、」と、このような目的に限定しておりますけれども、その理由についてお尋ねいたします。
○松村龍二君 つきまとい等に関する実態について警察庁から説明を受けましたところ、その実態として、交際を求めたり、離婚後に復縁を迫るために行われている例が多く、またこれらの場合には、その相手方に対する暴行、脅迫、ひいては殺人等の犯罪に発展するおそれの強いものと聞いております。
そこで、国民に対する規制の範囲を最小限にするためにも、規制の対象を、恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で行われるものに限ったところであります。
○大森礼子君 このように目的を限定することによりまして、例えば三項ですか、面会とか交際その他義務のないことを行うことをすることとか、つきまといとか、目的を絞りませんと、実は取材行為といいますか、こういうものも含まれる危険があるわけでありまして、目的を絞ったことは立法の動機と一致しておりまして評価できると思います。
次に、各条文の規定について幾つか質問いたします。
実は、参議院の共生社会調査会というのがありまして、その中で一年間、DV問題、女性に対する暴力問題、これを調査してまいりました。
そしてこの中で、そういう暴力を受けた女性が逃れる場所としてシェルターがございますが、非常に民間シェルターの方が大いに貢献してくださっております。そういう方の御意見を聞きますと、民間シェルターの場合、女性が逃げてくる、かくまうと。そうすると、その夫あるいは恋人とかそういう人がシェルターに押しかけてきて、場合によってはシェルターの人がその危害の及ぶ危険にもさらされる、こういう実態を伺ってまいりました。そして、このストーカー問題につきましても、実はほかの外国でもDV問題の一環として考えられているところがございます。
それで、この観点から、こういう場面におきましてもこの法律が機能するものかどうかということを知りたいので、以下、質問させていただきます。
まず、二条一項第一号では場所について規定してございます。
「住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所」とありますけれども、例えばこの「その他その通常所在する場所」には、今申しましたようなDVの暴力被害から逃れた女性が一時入所する婦人保護施設、これは例えば売春防止法三十四条四項の一時保護施設とか三十六条の婦人保護施設があります、あるいは民間シェルターもありますけれども、こういう場所も含まれ得るのかどうか、いかがでしょうか。
○松村龍二君 「その通常所在する場所」とは、住居、勤務先、学校等、特定の者またはその者と社会生活において密接な関係を有する者が所在することが通常予定されている場所を言うと考えられます。
民間シェルター等につきましては、事実関係にもよりますが、その実態にかんがみますと、社会通念上これらの場所に該当する場合が多いと考えられます。
○大森礼子君 そうしますと、次に二条一項本文中で、行為の及ぶ相手方ですけれども、「その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」というふうに規定してございます。
つきまとい被害から被害者が逃れるためには、例えば一時親戚のところへ身を寄せるとか、あるいは友人宅へ身を寄せるとか、あるいは婦人保護施設、今言った民間シェルターとか、こういうところにも身を寄せることが当然あり得ると思います。その場合、「密接な関係を有する者」の中には、例えば親戚の家の同居人とか友人宅の友人とか、それからさっき言いましたシェルター等の職員、こういう人もターゲットになることが多いものですからお尋ねするんですが、こういう方も含まれ得ると理解してよろしいでしょうか。
○松村龍二君 お尋ねのうち、親戚については「直系若しくは同居の親族」に該当する場合が多かろうと思われます。
「当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」とは、被害者の身上、安全等を配慮する立場にある者を言うものと思われ、学校の教師、職場の上司等がこれに該当すると考えられますが、友人、シェルター職員についてもこの趣旨に当てはまる場合には「当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」に該当するものと思われます。
○大森礼子君 次に、三条についてお尋ねします。何人もつきまとい等をしてはならないと、つきまとい等をして不安を覚えさせることの禁止についての規定がございます。
これまでの確認の意味にもなるんですけれども、例えばこの「何人」というもの、これには配偶者あるいは元配偶者、恋人等も含まれ得ると理解してよろしいのでしょうか。先ほど言いましたように、シェルターに押しかけるのはこういう人が多いわけです。一方で、夫だから何をしてもいいんだというふうな意識もありますので、この点を明確にしたいと思います。「何人」の中には配偶者、元配偶者等も含まれ得るかどうか、いかがでしょうか。
○松村龍二君 警察庁等から実情をお聞きしても、このような方が加害者になるということも大いにあるというようなことも伺うわけでございます。
法律上、行為の主体の限定はなされておらず、御指摘のような者も当然含まれることになります。
○大森礼子君 次に、五条についてお尋ねします。
禁止命令等についての規定なのですが、五条一項二号、公安委員会が命ずることのできる事項について規定していますけれども、「更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項」とありますけれども、これが命令の内容になるわけです。「防止するために必要な事項」というのは例えばどんなものなのか、例示として教えていただきたいと思います。
○松村龍二君 「当該行為が行われることを防止するために必要な事項」とは、禁止命令の対象となっている行為を継続する手段となるようなものを廃棄させる措置等であり、具体的には、写真、ビデオテープ等を送付するなどした場合に、そのネガ、マスターテープなどを廃棄することを命ずることなどが考えられます。
○大森礼子君 次に八条、国、地方公共団体、関係事業者等の支援についての規定がございます。
その第一項なのですけれども、この中に「ストーカー行為等の防止に関する活動等を行っている民間の自主的な組織活動」、このような組織活動の支援に努めなければいけないと、国及び地方公共団体の支援義務というんでしょうか、これを規定しているわけなんですけれども、この「民間の自主的な組織活動」、これは当然、今まで申しましたように、民間シェルターといいますか、こういう活動をしておられる方も、団体も含まれると理解してよろしいですね。
○松村龍二君 役務の提供を行った関係事業者につきましては……
○大森礼子君 済みません。ちょっと質問し直します。もう明らかになったからいいです。
「民間の自主的な組織活動」、これは民間シェルターも含まれるということで、実はDV対策としても本当に何らかのシェルターのきちっとした設置、あるいは婦人保護事業についても法的整備をしなくちゃいけないと思っておりますが、それにしても、今、非常に民間シェルターの方がボランティアという形で頑張ってくださっております。しっかりこういうところに国、地方公共団体は支援していただきたいと思います。
じゃ、二項です。二項で「ストーカー行為等に係る役務の提供を行った関係事業者」とありますけれどもここに言う「関係事業者」というのは例えばどういうものが含まれるのでしょうか。
○松村龍二君 ストーカー行為等は、電話、郵便、宅配便等を利用して行われることが少なくないことから、これらのサービスを提供する事業者で実際にそのサービスがストーカー行為等に利用されているものがこれに該当することとなります。
○大森礼子君 次に、罰則について規定がしてございます。十三条、十四条、十五条等、それぞれ罰則が規定してあるのですが、きちっと読めばわかるかもしれませんが、この三つの罰則の規定がそれぞれ相互にどのような関係になっているのか、これについて御説明いただきたいと思います。
○松村龍二君 お答えいたします。
第十三条は、ストーカー行為を直接処罰する趣旨の規定であります。
第十四条第一項は、禁止命令を受けた者が命令に違反してストーカー行為をした場合、同条第二項は、禁止命令を受けた者が命令に違反してつきまとい等を行った場合で、命令前の行為から通して評価するとストーカー行為に該当する行為を行ったときの加重処罰類型であります。
第十五条は、禁止命令を受けた者が命令に違反してつきまとい等を行った場合で、命令前の行為から通して評価してもストーカー行為に該当しないときの罰則であります。
○大森礼子君 それでは最後に、国家公安委員長にお尋ねしたいと思います。
この法案が成立しますと、警察は本格的にストーカー対策に取り組むことになるわけです。今回、ストーカー行為をどのように規制するかということで、直罰だけでいくのか、それとも警告、中止命令、このルートもつくるのかということで種々議論いたしました。
それで、恋愛感情とかというのは、いろんな犯罪、傷害、殺人とか、その一つの動機として恋愛感情のもつれ、もつれますと非常に不条理な感情もあるものですから、本当に凶悪な犯罪が発生しやすい。定型的にそう言えると思います。
しかし、直罰規定のみですと、かつて恋愛関係にあった者が、女性としましょうか、いきなり相手の処罰を求めるというのはいろいろためらうこともあると思うんです。また、いきなりそういう行為に出ますと、場合によったらさらに大きな二次被害に及ぶ場合もある。非常にこの分野というのはデリケートな問題だと思います。そういったことで、私は、警告、中止命令という二本立てにしたということは評価できると思います。
一方で、アメリカのDV法のように、やはりそれは裁判所に権限を与えるべきではないか。アメリカの方では、これは民事の手続になるんでしょうか、そちらへ行きますと、裁判所がプロテクティブオーダーあるいはプロテクションオーダー、保護命令というのを出しまして、これに違反すると、これは法廷侮辱罪のような形で処罰される、こういう仕組みになっております。
最終的には裁判所の権限とするのがよろしいのでしょうけれども、まだいきなりそこまではいけない。そ過渡的形態として、私は、実はこの警告、中止命令という措置というのはうまく機能してほしいと、このように思っております。もちろん、警告によって解決することが一番望ましいわけですけれども。
そうしますと、警察の方でも、権限乱用のないように、一般市民社会の、市民の自由をいたずらに脅かさないように非常に十分これ適用していただく必要があると思います。それからまた、命令を出す公安委員会もその存在意義というものが大きく問われると思います。これによりまして、警察も一つ新たに一歩大きく市民社会の中に踏み出すことになるわけなんですけれども、このストーカー対策に取り組むということにつきまして、最後に国家公安委員長の御所感をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) まず最初に、ストーカー、最近社会問題になっておりますけれども、これに参議院でお取り組みになられて、各党各会派いろいろお話し合いの上成案を得て、こういうストーカーの法案が提出をされたということに対して、私は心から敬意を表したいと存じます。
今御指摘の点でございますが、警察が、ストーカー対策を通じまして、これを有効な手だてにこの法律がなっていくであろうということを期待いたしております。また、国家公安委員会としても立法の趣旨を踏まえまして、この法律を十分に活用し、的確かつ積極的にストーカー対策に取り組むよう警察当局を督励してまいりたいと思っておりますが、今御指摘のように非常に微妙な問題を含んでおりますので、細心の注意を払うということを、細心の注意を払ってこの問題に対処していくということを、やはり警察の現場まで徹底をさせなければいけないなというふうに思っております。
そういう意味で、このストーカー行為を規制をするという本来の目的は、私は犯罪の予防的効果を中心に置いてやるべきものだと思っておりまして、そういう意味で、警告、中止命令というようなことをきちんと手だてを踏んでやっていく、そして人権侵害等が逆の意味で起こらないように配慮しながらやっていくことが必要だと、そのように思っておる次第であります。十分にそういった点を心して警察庁を督励してまいりたいと思っております。
○大森礼子君 終わります。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございますが、このストーカー規制法案について、幾つか草案の提出者に確認をしておきたいと思います。
第一の問題は、法案の第四条に基づく警察からの警告、さらに第六条に基づく仮の命令、また第五条に基づく公安委員会からの禁止命令等について、今も大臣から答弁があったんですけれども、警察権力の乱用にならないというここのところはなかなか微妙な問題が入っているというふうに思います。乱用にならない保証はあるのかという問題なんです。
例えば、市民のプライバシーの侵害とか、あるいは労働組合運動や市民運動などに対する警察権力の乱用を防止できるかどうかという点、これとの関連で、警告や仮の命令あるいは禁止命令と行政不服審査法に基づく不服申し立て、さらに取り消し訴訟との関係はどのような関係になるのか、この点についてまず確認しておきたいと思います。
○松村龍二君 本法案に規定する警告、仮の命令及び禁止命令等の対象となるのは、まず、被害者の申し出に係るつきまとい等を行った者であります。
規制等の対象となりますつきまとい等につきましては、第二条におきまして個々の行為を明確に定義するとともに、国民に対する規制の範囲を最小限にするためにも、これら特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で行われるものに限っておりまして、御指摘の労働組合運動等は本法の規制対象とはならないところであります。
また、この法案の草案をつくるに当たりましては、第十六条で特に「適用上の注意」、「この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。」という一条を設けております。
この問題は本当に、ぬれぎぬと申しましょうか、一方的な被害申し立てによりまして警察が軽はずみに動きますと、冤罪といいましょうか、実際にストーカー行為をやっていない者が職場等において警告をされたというような評判が立ったりしまして大変な市民生活に影響をもたらすということもございますし、それから一般の熱心な商売活動、あるいは先ほど申しましたような労働行為、その他紛らわしい、国民の権利を侵害することがあってはならないということを特にこの条文に込めたわけでありまして、今後、警察あるいは法務省等におきまして、この法案を運用するに当たりまして細心の注意をいただくよう期待しておるところであります。
なお、行政不服審査法、行政事件訴訟法との関係でございますが、本法の警告は、行政指導の一種でありまして不利益処分には当たらないため、行政不服審査法及び行政事件訴訟法の対象とはなりません。
一方、仮の命令及び禁止命令等は、対象となる者に一定の義務を課するものであるところから、いずれも不利益処分に該当するところですが、仮の命令については、その効力がある十五日間に限り審査請求及び取り消し訴訟の対象となり、禁止命令等については、行政手続法に基づく聴聞を経て行うものでありますところから、同法第二十七条第二項によりまして異議申し立ての対象とはならないものの、取り消し訴訟の対象となるものであります。
○富樫練三君 次に、同じく第四条に基づく申し出についてですけれども、被害者本人に申し出は限定されるのかという問題についてです。
場合によっては被害者が二十歳未満、未成年者であるということも考えられるわけで、その場合には親権者も申し出人になれるのかどうか、この点についてはいかがでしょうか。
○松村龍二君 申し出につきましては、申し出をする者が不安を覚えているかどうかを確認しなければならないために、その性質上、本人によって行われるべきものと考えております。
しかしながら、本人が未成年者である場合には、本人の意思を尊重しつつ、親権者が代理人として申し出ることができるものと考えられます。
○富樫練三君 同じくその第四条なんですけれども、警告などの対象は行為をした者というふうになっております。恋愛やあるいは怨恨あるいは好意、そういう感情を持った人物、例えばAという人物から第三者であるBが依頼をされて、そのBがつきまとい等あるいはストーカー行為をした場合に、依頼をした張本人でありますAの取り扱いがどうなるのか。この点についてはいかがでしょうか。
○松村龍二君 そのようなケースも起き得ると思いますが、Bが行為を反復することによりストーカー行為の段階までエスカレートした場合、告訴があれば直接罰の対象となりますが、BにおいてAがCに対して恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的を有していることを認識しておれば、AとBとは共同正犯など刑法上の共犯の規定により処罰され得ます。
Bにおいて、A、C間の事情について全く認識がなく、BがAの道具として利用されたような場合には、Aは間接正犯として処罰され得ます。第三者Bによる行為がつきまとい等の行為に該当する場合、Aは行為自体を行っておらず、Bにはつきまとい等の定義として規定されている恋愛等の感情がないことから、いずれに対しても本法に基づく警告等は行うことは困難であると考えます。ただし、警察法第二条に基づいて指導、警告等を行うことは考慮すべきものかと考えられます。
その後もBがつきまとい等を反復した場合は、先ほど述べたと同様、AはBにおいてA、C間の事情について認識があれば共犯として、認識がなければ間接正犯として処罰され得ると考えます。
○富樫練三君 同じく第四条の申し出の問題なんですけれども、被害者が申し出をする段階で、自分はこういうふうなつきまといの被害を受けているという点について、どこまで証明すればいいのかという問題です。
被害者本人が証明するというのは大変困難な場合も予測されるわけなんですけれども、例えば行為者名、相手の名前が不明であったり、あるいは証拠はしっかり本人から挙げることはできない、そういう場合でも警察はきちんと対応できるかどうか、この点についてはいかがでしょうか。
○松村龍二君 御指摘のような場合、申し出を受けた警察本部長等は、申し出をした者等の協力を得ながら、例えばつきまとい等の事実についてメモしたり電話を録音してもらうなどして事実を明らかにしていくとともに、行為者に直接事情聴取を行う等、必要な調査を行っていくものと考えております。
したがって、被害者が申し出をする際に行為者の氏名等が不明であったり証拠がない場合でも、警察は被害者の立場に立って可能な限りの対応を行うものと考えられます。
○富樫練三君 そういう申し出をした場合、申し出はしたんだけれども、窓口あるいは現場の警察が動かないために実際には申し出の効果がなかったという場合に一体どうなるのかという問題があります。今までたくさんの事件がありますけれども、そういう事件の場合に、現行法でもかなり現場で対応すれば防げたにもかかわらず、結果として申し出あるいは相談、訴え、こういうことが十分尊重されなかったために事件に発展してしまう、こういうことが現実にはたくさんあったわけなんです。
したがって、申し出が来れば警察が動くというのは当然のことなんだけれども、しかしそれが行われなかった場合に、動くという保証はあるのか、この点についてはいかがでしょうか。
○松村龍二君 本法が成立した場合、いわゆるストーカー事案に対する警察の活動の明確な根拠となることから、警察としてもより対応が行いやすくなるほか、本法制定後は、警察庁から全国の都道府県警察に対して、この法律の趣旨を徹底し適切な対応が行われるよう指示がなされる予定であると聞いております。
申し出を受けたものの警告の要件に該当しないような場合であっても、その理由を申し出をした者に対して説明するとともに、行為者に対して警察法に基づく一般的な指導、警告を行っていくものと考えております。また、申し出をしたにもかかわらず警察が全く対応しない場合は、行政不服審査法等による救済の対象とはならないものの、一般の苦情として警察本部等に申し立てることができます。
申し出の受理等の手続については、国家公安委員会規則で定めることとなっていますが、これらの点も十分考慮して検討を行っていくものと聞いております。
○富樫練三君 最後になりますけれども、そうしますと、今のお答えで、申し出をしたけれども警察が動かないという場合には、一般的に今の制度でも都道府県警本部に苦情を申し入れるということは可能だということですね。
それからもう一つは、今後手続等については公安委員会の規則、これを制定していくと。その場合にも考慮されるというのは、申し出者がきちんと警察で対応してもらえなかったときに都道府県警本部または公安委員会に苦情を申し出る、そういう権利は保障されているというふうに理解してよろしいんでしょうか。あるいはそういうことを今後の規則の中で考慮していきますよと、こういうことで理解してよろしいんでしょうか。
○松村龍二君 当然にそのように考えますが、何でしたら警察庁からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(黒澤正和君) お答えいたします。
今御指摘の点でございますが、今後法律が成立いたしますれば国家公安委員会規則におきまして申し出の受理等の手続について規定をすることといたしておるわけでございますけれども、今御指摘のございました点も含めまして、法律にのっとりまして種々検討をさせて適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○富樫練三君 終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。
私は、ストーカー規制法の立法の必要性ということについては必要である、こういう考えを持っておりますが、同時に恋愛感情だとか好意の感情だとかあるいはまた怨恨の感情という、そういう刑罰を与えるときにそれらの感情をどう認定するかというのは非常に難しい問題だなという思いを持っております。したがいまして、一番大事なのは、このストーカー規制法によって、被害者がこの法律でどう扱われるのかということが一番大事ではないかなというふうに思うわけです。要するに、被害者の法的保護に十分であるだろうか、この法律の中で被害者が蚊帳の外に置かれたり、あるいは法的保護が十分受けられないということであっては大変困るわけであります。
そこでお伺いいたしますが、被害者がその被害の訴えを警察等になした場合に、警察等がそれを軽視したり黙殺したりして取り合わなかった場合の被害者の苦情申し立てというか救済はどういうふうになされるんでしょうか。
○松村龍二君 ただいま富樫委員からの御質問にもあったかと思いますが、各都道府県警察におきまして警察の職務執行に関する苦情処理の窓口が設けられておるわけであります。したがって、御指摘のような苦情は、このストーカー対策をする担当部署が正当に対応しない場合、苦情処理の窓口において受け付け、適切に処理されるものと考えております。また、そもそもストーカー行為の被害者が申し出等を行ったにもかかわらずこれを軽視したり黙殺することのないよう、警察庁において各都道府県警察に対する指導を徹底されるものと考えております。
この施行をいつからということも検討をいたしました際に、警察庁の方から、この法案に対する公安委員会規則その他の法整備あるいは各都道府県警察、警察署におきます受け入れ体制の整備、この陣容を整える、あるいは警察官に対する教育あるいは市民に対するPR、これをするためにはどうしても六カ月は最低限必要である、こういう決意が表明されましたので、そのような対応をしていただけるものと考えております。
○照屋寛徳君 さて、この目的犯なんですが、第二条の「その他の好意の感情」という構成要件ですね、なかなかわかりにくい抽象的な、恋愛感情とか怨恨の感情というのはまだ外形的にもよくわかるのでありますが、「その他の好意の感情」というのはどういったことを考えておられるんでしょうか。
○松村龍二君 私も法律家でありませんのであれですが、好意の感情とは、一般的には好きな気持ち、親愛感のことを言いますが、この法律においては、つきまとい等を規制するに当たりまして、恋愛感情その他の好意の感情を充足する目的等を存在要件としておりまして、その感情が充足され得るものであることが予定されていることから、単に一般的に好ましいと思う感情だけではなく、相手方がそれにこたえて何らかの行動をとってくれることを望むものを言うと考えられます。
また、一例を、本当に一例だけでございますが申し上げますと、女優、あるいはテレビを見ておりましてその画面に載るニュースキャスター等に対するあこがれの感情など、恋愛感情には至らないものも好意の感情に該当し得るものと考えておるわけであります。
○照屋寛徳君 それから、確認ですけれども、このストーカー規制法は、労働運動の話がありましたが、それ以外の消費者運動とかあるいはマスコミ等の報道活動、市民運動や地域活動、自治会活動等には適用されない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○松村龍二君 私ども、この法律の立案に当たりましては、そのようなことを厳に考えまして目的を絞ったところでございます。
○照屋寛徳君 私は、本法案を見ておりますと、警告だとかそれから禁止命令だとか、あるいは仮の命令等々、いわば警察が判断とそれに基づく執行権を有しているわけです。私は、本来はその判断と執行を分けてこそ権力は適正に行使されるのではないか、こういう考え方に立っているわけでありますが、警察が判断と執行権を有して果たして公正、妥当な権限の行使が担保されるのか、こういう思いがあるわけです。
先ほど、大森委員からもそれに関連して権限乱用の防止の決意等を国家公安委員長に求めておりましたが、今申し上げた判断権と執行権との関係、果たして公正、妥当な権限の行使が担保されるかという問題と、そういう権限乱用には及ばないというふうな決意等、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○松村龍二君 この法案を適用するに当たっての決意は警察、国家公安委員長あるいは警察庁長官の方から御答弁いただきたいと思いますが、私どもは、この法案に当たりましては、西洋の法制におきまして裁判所、判事が指示を出すというふうな方法等もあると。しかし、これには司法関係が十分成熟したといいましょうか、市民の問題に即座に対応できるという社会的な準備、対応が必要でございますし、やはり警察署長にだけお任せするのではなくて、あくまでもこのような警告等を行った場合には公安委員会にも報告し、市民の代表で成り立っております公安委員会がすべてこれを各段階において管理する、また禁止命令等をする際には公安委員会がこれを行うというふうなことで実際上の必要性とまた公平を担保する、市民の権利を侵害しないといったことに十分に意を使って立案したつもりでございます。
○照屋寛徳君 それから、第四条の警告を求める申し出について、本人もしくは、先ほどは法定代理人である親権者からの申し立てが可能だと、こういう話がありましたが、例えば弁護士などが代理人となって申し出することも可能なんでしょうか。また、その際の、私はある面でまた申し出そのものが乱用に及ぶようなケースもあるのではないかというふうに思うんですが、それらの申し出の乱用の防止等についてはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○松村龍二君 先ほども申しましたように、本人の意図が、意思がはっきりしませんと、例えば、娘がある人とおつき合いをしておる、親は気に食わないから親が勝手に申し出をするというようなことになってはいけないわけでありまして、あくまでも本人の意思を原則として考えるわけでありますが、未成年者が被害に遭っている場合には親権者というようなことを想定しておるわけでありますが、また細部にわたりましては国家公安委員会規則等で間違いのないように決める、こういうふうに承知しております。
○照屋寛徳君 私は、告訴、告発の代理のように、弁護士が代理人となって申し出することは可能なんでしょうかと。
○政府参考人(黒澤正和君) 民法の一般原則が適用されまして、代理人による申し出も可能であると考えておりますが、先ほど来申し上げておりますように、申し出人が不安を覚えているということを確認するということがポイントになるわけでございまして、代理人として申し出も法的には可能ではございますけれども、弁護士さんの申し出とは別途、本人の意思確認ということをさせていただく、かように考えておるところでございます。
○照屋寛徳君 国家公安委員会規則みたいなのがつくられるんでしょうけれども、この法律の成立を期して。その際、さっき申し上げました申し出の乱用の防止策みたいのは考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(黒澤正和君) その辺のところも今後法の趣旨を踏まえまして検討をさせていただきたいと思っておるところでございます。
この手続につきましては、先ほど来出ておりますように、申し出がありましても直ちに手続が始まるというものではございませんで、特にこの種事案というものは外形からは両当事者の関係等もございましてわかりにくい部分もございまして、本人の申し出をよく聞き、そしてまた事案によっては相手方からも事情をよく聞きまして、あるいはまた、関係人からも話を伺う、そのような慎重な手続をするということで手続が進んでまいりますので、申し出が何でもかんでも乱用されて出てくるというふうには考えておらないところでございます。
○照屋寛徳君 第七条のみずから防止するための援助の内容というのは、具体的にはどういうことが想定されるんでしょうか。
○松村龍二君 第七条第一項の規定によりまして警察本部長等が行う援助の具体的内容といたしましては、例えば被害者に対する自衛措置の教示、電話録音や行為者の行動の記録等の方法の教示、行為者との交渉を行う場として警察施設を利用させること、防犯ブザー等の防犯器具の貸し出しなどが考えられるものであります。
○照屋寛徳君 私は、ストーキングという大変形態的には限定しにくい人の安全への脅かし行為に対しては、具体的なケースに応じてより具体的な禁止命令などが必要ではないかなというふうに思うわけですが、それがこの法案によって判断と執行権を警察に任せてそれで十分だろうか。より具体的な禁止命令を出すについては裁判所などの司法機関の介入が必要ではないかなということをいまだに考えておるわけであります。
ともあれ、見直し規定も入りました。ぜひ、そのことも考慮して、法律成立後には警察におかれては適正な権限の行使をやっていただきたいと思います。
最後に、ストーカー犯罪が多発している社会的な背景だとかあるいは取り締まりに当たっての権限乱用防止の心構えを国家公安委員長と警察の方にお聞きして、終わります。
○国務大臣(保利耕輔君) 最近ストーカーから発生し殺人に至るというような事件も出ておりまして、そういった問題が今後社会的に蔓延していかないようにやはり予防的な措置を講ずるという意味で、この法律の持っている意味は非常に大きいと思います。どうしてこのストーカーの行為が多くなってきたかということについては、社会学的にも非常に難しい問題ではあろうかと思いますが、こういういわば人間関係が希薄化したとかあるいは人間関係形成能力が弱体化したとかというようないろいろな理屈が考えられると思いますけれども、このまま放置をいたしておきますとこういった行為がまだまだ蔓延する可能性があるということで、この法律の持っている意味は大きいと思います。
なお、この法律の執行につきましては、先ほど私からもお答えを申し上げたのでありますが、非常にデリケートな問題を含んでおりますので、細心な注意を窓口の方で払ってもらわなければなりませんし、まずは市民からの相談というのを警察の直接の担当窓口がきちんと対応するという、そういう体制をつくり上げていくということが私どもに課せられた責任の一つではないかと思うわけでございます。
その上で、手だてを講じまして公安委員会と御相談の上にまた警告を発するとかあるいは中止勧告をするとかというようなことをやって、そしてこの権力の発動に至っていくというようなことが準備されておりまして、それにのっとって十分に注意しながらこの法律の運用を図っていくように警察庁を督励してまいりたい、
このように私は存じております。
○政府参考人(田中節夫君) ストーカー犯罪の多発の社会的背景につきましては、ただいま大臣から御答弁になったとおりでございまして、私どももそのように認識しておるところでございます。
権限乱用の問題につきまして御指摘がございました。
本法律案で規制されますストーカー行為、それは外形から判断いたしますとさまざまな態様の活動が対象となるものではございますけれども、法ではっきりと「恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」というふうに限定をされております。したがいまして、現在問題となっているような事案に的を絞ったものというふうに私どもも理解しております。
また、この法律の運用に当たりましては、先ほど来いろいろ御議論がございますように、第十六条におきまして「適用上の注意」として「国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。」と規定されているところでございます。
この法律案が施行されまして現場に、そこにおろしました場合に、個々の具体的なケースによりましては非常に難しい判断を求められる場合もあろうかと思いますが、基本的にはその当事者の心情というものも十二分に酌み取りながら、本当に国民の皆さんの要望に沿った解決のあり方というものを求めて、いささかも権限乱用といったことのないように適切な法律運用につきまして都道府県警察を指導してまいりたい、かように考えておるところでございます。
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○委員長(和田洋子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、青木幹雄さんが委員を辞任され、その補欠として岩城光英さんが選任されました。
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○委員長(和田洋子君) 他に御発言もないようですから、本草案をストーカー行為等の規制等に関する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時五十五分散会