女性と年金



社会保障審議会年金部会が「年金制度改正に関する意見」をまとめました。(2003年9月12日)

2002年1月に設置されて以来、26回にわたり年金部会では審議が行われてきた。「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会」での検討(2001年12月報告)、雇用と年金に関する研究会報告「多様な働き方に対応できる中立的な年金制度を目指して」(2003年3月)、社会保障審議会「今後の社会保障改革の方向性に関する意見」(2003年6月)、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(2003年6月閣議決定。以下「基本方針2003」)などを踏まえ、「公的年金制度に関する世論調査」(2003年2月実施)、「年金改革に関する有識者調査」(平成15年3月実施)、関係方面での検討、意見を参考にしながら、年金制度の体系の在り方、年金制度における給付と負担の在り方、多様な働き方への対応、女性と年金の問題を軸に検討。2003年3月から9月にかけて全国8か所で年金対話集会を開催し一般の方々との意見交換も行ってきた結果が上記の意見書にまとまっている。

女性と年金検討会のまとめた「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会」はどこにいってしまったのか。「第3号被保険者問題」は今回の改革では先送りとなる。とするとまた5年後まで改革のチャンスはないのだろうか・・・?



社会保障審議会年金部会は2002年1月16日に始まり、既に18回を数えています。最近の部会では、特に「女性と年金」に注目が集まっているようです。主な論点は、パート労働者への厚生年金の適用拡大、第3号被保険者制度の見直し、だったのですが、なぜか夫婦の年金分割の話(夫の賃金を分割し年金の保険料を納めることで、将来受け取る報酬比例部分の半分を妻名義で受け取れるようにするもの)。離婚時の年金分割が判例で確定しつつある中、第1号や第2号との公平性をまったく無視し、個人単位化の流れを世帯単位へ逆戻りするような制度が議論されているようです。これからの議論の行く末を要チェックです。

社会保障審議会年金部会委員名簿 (平成14年1月15日)

氏名 現職
井手 明子      (株)NTTドコモ丸の内支店長
今井 延子     全国女性農業経営者会議副会長
大澤 眞理     東京大学社会科学研究所教授
大山 勝也     JAM書記長
岡本 康男     住友化学工業(株)専務取締役
翁 百合         日本総合研究所調査部主席研究員
神代 和俊     放送大学教授
近藤 師昭     日本年金数理人会会長
杉山 千佳     (有)セレーノ代表取締役
堀 勝洋         上智大学法学部教授
宮島 洋         東京大学大学院経済学研究科教授(東京大学副学長)
向山 孝史      日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長
矢野 弘典      日本経営者団体連盟常務理事
山口 洋子     日本サービス・流通労働組合連合中央執行委員
山崎 泰彦     上智大学文学部社会福祉学科教授
若杉 敬明     東京大学大学院経済学研究科教授
渡辺 俊介      日本経済新聞社論説委員

年金部会の開催のお知らせ(傍聴可)、議事録は厚生労働省のHPでアクセスできます。  http://www.mhlw.go.jp/shingi/hosho.html#top


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女性と年金検討会(第2回) 傍聴記

「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会」第2回が、9月19日、厚生省の特別第1会議室で開かれました。
今回の議題は、 1 女性のライフスタイルの変化等の現状について、2 個人単位化について、3 第3号被保険者制度についてです。

まず厚生省の担当官から1時間くらい資料の説明があった後、議題2について議論。議題3は、ほとんど触れられませんでした。議論の経過は、そのうち議事録が出ると思いますので、ちょっと感じた点を何点か書きます。

出席者の一人から、厚生省の用意した資料にジェンダー・バイアスがある、現状維持が前提であるという指摘があり、まさに、その通り!と思いました。
例えば、「第3号被保険者制度について」というペーパーには、座長の袖井さんからも指摘されたように、現行制度を維持する考え方は、たった3行で、「・・・所得再配分が行われており、所得のない専業主婦に必要な費用を被用者全体で負担する仕組みは合理性があると考えられる」と述べてあるのに対し、現行制度の修正を求める意見に対しては、何項目にもわたる問題点が指摘されている。個人的に、おかしいと思ったのは、「結婚退職・出産退職に対して抑制的な効果が予想されるが少子化との関係をどう考えるか」というコメント。これって、厚生省が言うコメントではないのじゃないんでしょうか。結婚退職・出産退職しないと(つまり専業主婦じゃないと)やはり子どもを持てない、働いている女性は、子どもを持てないということを厚生省は是認していることにならないでしょうか。細かいところですが… 万事につき、こんなコメントが多いのです。

また資料がすべて現状の統計に基づくもので、例えば将来、労働力人口が減った時に、本当に今までの枠組み(サラリーマンの夫を専業主婦が支える)で対応できるのか、なども視野に入れて論じていかなければならない問題だとの指摘もあり、次回までに、労働力人口の将来予測データや、スウェーデン・ドイツ・カナダなどの海外の年金制度、年金制度における女性の取り扱われかたの変遷についても資料を用意してもらうことになりました。

次回は、11月ごろ、遺族年金、離婚時の取り扱い、パートタイム労働者を議題に開かれます。
今回、傍聴して思ったのですが、いい意見の時には拍手が起こるなど、やはり多くの人が傍聴に行って、プレッシャーをかけることが大切だと感じました。(M)


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